姿346(その5)

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「…。じゃあウェイトをつけるのあきらめるしかないな」
「やるしかないんだろ?仕方ねぇ。覚悟を決めぜ」
「ピンバイスと小型電機ドリルは貸してやるから。気をつけてやれよ」

こうしてウェイトを装着するための穴をボディにあけはじめる346。

「メス!」
「はい(ピンバイス)」
「ガーゼ!!」
「はい…って、手術かよ」
「気分が盛り上がるだろう?」
「残念ながらまったく盛り上がらないが」


「よし、半分くらいいったな。次は電ドリだ」
「ほらよ」
「いくぜ。喰らえッ!カトリーッ!!
「怖いよ!!」


苦節60分。
ようやくボディに約20箇所ほどの穴開けが完了。

「あぁ、オレ様の愛車が傷物に…」
「見事に蜂の巣状態だな」
「でもこれでウェイトを取り付けられるな」
「そうだな。で、それ全部つけるの?」
「当たり前だ。カトリの体重はハンパないだろうしな」
「う〜む…。完全にカトリ本人が重いことになっているな」

ウェイトの取り付けに着手。

「見ろよ。こんだけかさねれば重くなるだろ」
「ウェイトのミルフィーユや」
「ハハハ!あさがや涙目だな!」
「なぜそこであさがやが涙目に!?」
「気にすんな。あ、この長いの(ビス)借りるぜ」
「仕方ないなぁ。あのときビスも一緒に買えばよかったのに…って、あれ?」
「何だよ、人の買い物袋を勝手に覗きやがって」
「いつの間にファイティングアーマーも買ったの?」
とある情報筋から100円で買った」
「情報筋…?一体誰だ?」



よし、完成だ。刮目せよッ!!



「これまたえらい積み方しているな…」
越前(By.あさがや)には勝てる!!」
「まぁ、越前はミニ四駆だからなぁ」
「次はシャーシだ!」
「…」
「どうした?」
「…ちょっと待て」
「何だよ」
「ヒジョーにツッコミを入れたい箇所が一つある」
「それは激闘本編で♪」
「いや、ダメだ。どうしても今入れなければならない」




何だこれは!!

「どうだいこの目玉、めがっさ似合ってると思わないかなっ?どうにょろ?」
「それはもう…わけがわかりませんよ。鶴…グハッ」
「おっと、この話はそこまでだ」

激闘記録本編第八章第3話へ続く

初出:2008年2月9日 峠の茶屋「姿346その5」