ダンガンレーサーEVO第1弾
ウイングバルカン特集

3月20日。
ここ関東地方では久しぶりに雪が降りました。
桜の花も咲こうともいうこの季節に、凍える吹雪が人々を襲います。

そんな悪天候の中、冷厳なる空気を一瞬にして熱く燃えたぎらせる一台のマシンが世に登場しました。

たまごっち?
いえいえ、我らが待ち望んだ新ホビー「ダンガンレーサーEVO」の発売です!!
記念すべきダンガンレーサーEVO第1弾「ウイングバルカン」のパッケージです。
新しいようでどこか懐かしい、フルカウルミニ四駆の面影を残しつつ、後期のダンガンレーサーの正統進化といったイメージを持ったのは自分だけでしょうか。
1/32というサイズはダンガンEVOでも健在。
エボシャーシという新機構をひっさげ、堂々と登場したウイングバルカン。そして、ダンガンEVOシリーズ。

じっくりと見ていきましょう。
ダンガンはDR-*というナンバー表記が製品名になっていましたが、EVOはマシン名だけになっています。
その代わりといってはなんなのですが、DRX-1というナンバーがこんなところに記されています。
パッケージイラスト。
実写のパッケージよりもこのイラストが描かれた方が格段によいです。やはり惹かれるものが違いますしね。

ダンガンのロゴマークの下にEVOのマークがついたものが、ダンガンレーサーEVOのロゴマークなのでしょうか。
ミニ四駆のようにシリーズごとに新たなロゴが起こされるのではなく、あくまでダンガンレーサーの延長であるというアピールなのかもしれません。
注目の3分割ユニットを採用した「エボシャーシ」。
これはあくまで基本形であって、今後のEVOシリーズではこのユニットが違う形のものが同梱されるのかもしれませんね。
また、別売りのチューンナップパーツ「グレードアップユニット」も発売しており、これと組み替えることで、自分だけのオリジナルマシン…いや、オリジナルシャーシを作成することが可能になります。
グレードアップパーツは過去のものが、そして先述したグレードアップユニットも交換可能。
組み合わせはまさに無限大!!
下箱。従来と同じですね。
ダンガンキャッチャーが作成できます。
箱から出してみます。
材質やステッカーなどはダンガンシリーズを継承しています。
パーツの点数が多くなっているほか、細かいパーツもちょっと増えていますが、自分は説明書なしで作れたので、買うのをためらうほど深刻なことではないと思います。
ボディ。
最近までホワイトだと思っていましたが、メタリックブルーです。
ダンガンシリーズと同様に、基本的には縦分割。また、パーツのリヤ側はフロント側とは別になっており、シャーシに直に取り付けるような仕組みになっています。

着脱式のウイングがイイ感じです。
シャーシ。
フロントユニットとリヤユニットは同じ袋に入っています。
フロントユニットは形状の違うタイプがあり、どちらを取り付けるかレーサーで選択することが出来ます。選んだユニットにより、取り付けられるパーツが変わってくるため、いい意味でレーサーを悩ませてくれます。
センターユニット。
バッテリーがここに入ります。

微妙に肉抜きされているのが、重くなりがちなダンガンEVOの重量を少しでも減らそうという努力なのでしょうか。
また、見慣れない形状のパーツもあり、これがどのような働きをするのか気になりますね。
モーターは白ベル。
昔のミニ四駆に同梱されていたのを思い出させてくれます。
ギヤはダンガンと同様のパワータイプ(ギヤ比4.8:1)とスピードタイプ(ギヤ比4:1)の2種類。ここらへんのパーツは使い回しがきくようです。
タイヤとホイールはミラージュアローに同梱されているものと同じ。ヘキサクローパターンのファイティングタイヤです。
別のパターンが見たかったですが、バルカンにマッチしているのでよしとしましょう(笑)。
ボディをランナーから切り離しました。
ダンガンを作成してきた方なら、どれがどの部分にいくのか予想がつきますね。
半分になっているボディを結合し、このパーツで取り持ちます。
じつはこれがシャーシとのキャッチを兼ねており、見た目以上に重要なパーツだったりします。

ダンガンではノーズ側に出っ張りがついていたのが、ウイングバルカンではボディ側に移動されています。

裏側から見た画像
ボディはこんな感じになります。
フロント側とリヤ側は完全に分離しており、シャーシに直づけすることで一つのボディに見えるようになっています。
ということは、フロントはウイングバルカン、リヤは別のマシンという組み合わせも可能ということですね。

奥が深い。
フロントユニット。
左側はノーマルのスキッドホイールや、ベアリング内蔵メタルスキッドホイールなど、小さいサイズのスキッドホイールを装着できます。
右側はカスタマイズ用。フッ素ワイドやサスペンションなどの特殊な付け方のスキッドホイールや、スタビポールなどのパーツ取り付け用に使用できます。既存のダンガンとの互換タイプというイメージです。
F-01はこんな感じで裏側からフタをするように取り付けます。
はめ込み式になっており、強度的にはちょっと不安が残りますので、自分としてはF-00を使っていくことをオススメします。

取り付けるとこんな感じになります
センターユニット。
新たにローラー取り付け用のステーが採用されたほか、バッテリーホルダーがミニ四駆のように小型になっています。GPシステムについても問題なく取り付けられるよう、爪がついているのが印象的です。
フロント側のターミナル取り付け部。
ターミナルがぶつかることによってショートしないように仕切りが設けられています。
裏面には「C-01」の刻印が。
他のユニットにも「F-01(00)」、「R-01」と刻まれています。
こいったちょっとした部分がニクい演出ですね。
リヤユニット。
ダンガンEVOの中枢とも言うべき最重要ユニットであり、ココの作りに失敗すると走りに多大な影響を及ぼします。
今まではむき出しになっていたモーターを全面でカバーするような形になっており、ファイティングレースなどの激しいレースでも耐えられる仕組みになっています。
リヤユニット完成系。
ノーマルのままでは、見るからに重量がありそうです。
高い防御力を誇りますが、スピードレースではちょっと使い難い感じですね。
エンジンをかたどったパーツをはずすしてみました。
モーターもずいぶん涼しそうです。
マシンを走らせることを考えると、確実に外しておいて方がいいです。

こんなこともできる
裏面はこのように引き上げるだけでメンテが出来るようになっています。
ボディを外すことなく駆動系に一発でアクセスできるのは想像以上に便利です。
PUSHとかかれた部分を押すと、モーターが簡単に取り出せます。
初心者のことを考えた親切設計です。
合体!!
往年の戦闘メカファンにはたまらないと思われます。
残念ながら、トランスフォームはしないようです。

漫画「ダンガンウルフ」でもシャーシを結合する描写があり、コロコロを先に見た方は、これを行う瞬間はかなりシビれたのではないでしょうか。かくいう自分のその一人(笑)。
フロントユニットとセンターユニットの結合部。
センターユニットの穴にフロントユニットを挿入し、画像の真ん中に写っているスイッチのようなパーツを前方へスライド。これで固定されるギミックになっています。
センターユニットとリヤユニットとの結合部。
まずはセンターユニットの穴にリヤユニットを挿入。
手前に引いたパーツをユニット取り付け後にうしろにスライドさせることで、ガッチリとはまるようになっています。
ウイングバルカン、光臨!!
名前通りウイングが存在感を出していますね。
ステッカーを貼っていなくても、そのルックスの良さがわかります。

しかしこう見るとボディがつながっているように見えるのが不思議。
横から。
フロントノーズがフロントまでのびきっていたダンガンに比べると、コンパクトな感じがします。
ウイングのせいもあるのでしょうが、かなり車高が高いように見えますね。
フロントノーズ。
激しいバトル故に破損が絶えなかった箇所をシャーシの上に持ってくることで、強度面でも大幅に向上しています。
ハイノーズ化にもなっており、コーナーをスムースに回ることが出来ます。
逆に、カウンターには弱くなった…?
ダンガンではおなじみになったパーツ取り付け用の穴。
エボシャーシの特徴の一つでもあるローラーステーが外に伸びています。
ここをどう生かすかがウイングバルカン活躍への道といえるでしょう。
エアインテーク。
モーターへ風を送り込むことで、冷却効果を高めるというものです。
これだけ大きくあいていれば、長時間のレースでも十分効果を発揮すると思われます。
現在のファイティングレース規定では、タイヤより後方の改造は軽量化以外認められないので、アタックにはかなり弱い面がありました。
しかし、最初からこのような形状になっているエボシャーシはかなりのカウンター効果がありそうです。
しかし、タイヤに攻撃が集中するので、自分が足下をすくわれてしまいます。特にローノーズのマシンには弱い!!ワイド系のタイヤ&ホイールと組み合わせて、相手を返り討ちにしてやりましょう。
上から。
横に太く見える?
さすがにファイティング以前のマシンと並べると、ファットに感じますね。

残念ながらダンガンシリーズのボディは乗せられません。
ノーズはこれくらい違います。
ボディで曲がっていたダンガンに対して、シャーシで曲がるダンガンEVO。
シャーシの比較。
ボディがデカいのではなく、シャーシがデカいのか(笑)。
番外編。
これってレギュOKなのかな?

●まとめ

・長所
なんと言っても高いカスタマイズ性。工夫して自分だけのマシンを作りたいレーサーには、これ以上の選択肢はない。既存のグレードアップパーツを使えることもポイントが高い。レギュレーションで手を出せなかった部分がデフォルトで強化されている点も見逃せない。
また、シャーシのスペアが同時発売されているので、シャーシが破損した場合にわざわざマシンごと買い換える必要がなく、壊れたユニットだけ取り替えるといった柔軟な対応が可能。
・短所
仕組みが今までのシリーズよりも複雑になっており、どこが壊れたかの判断がしづらくなっているように感じました。
重量もあるので、スピードレースでは使いにくく、ファイティングレースのためのシャーシといっても過言ではありません。
(ただし、後のグレードアップユニットで、簡単な仕組みのものや、軽量でスピード重視のものが発売される可能性があり、ここらへんがダンガンEVOの強みでもある。)

・総評
まずカスタマイズありき。
短所を長所に、長所を短所に変える可能性を秘めた生粋のタミヤホビーです。
改造やメンテナンスするのが面倒なレーサーは完成車でも買ってなさいってこった。