激闘サポーターP-M

●2月3日

超多忙の水曜日の夜中に、メールの着信。
送信者は…実家の母!?
何かあったのかと不安がよぎる。ダッシュで確認。

「Nortonを入れたらPCが使えるようになるまで20分くらいかかるようになった。何でだろう」

ビックリして損した。
まぁ、オオゴトじゃないようで一安心だが、う〜む…。
ヒントが少ないので答えようがないな。
ヒヤリングしてみようかと思った矢先、向こうから電話がかかってきた。
母「Nortonを入れたら遅くなった」
P-M「何かメッセージや変わった表示は出ている?」
母「出ていない。ドラム缶みたいなランプが光りっぱなしになっている」
P-M「なるほど」

ドラム缶みたいなランプはおそらくHDDのインジケータ。
メモリ不足の線が強そうだな。

母「(P-Mの)弟に聞いてみたら、忙しいから自分で何とかしろ。わかんなければP-Mに聞けって言われて…」
P-M「それはヒドいなぁ」

コレを思い出して涙が出そうになった。
とはいえ、メールに返信出来ないほど忙しいのだろうから、彼を責めることはできない。
現物を見てみないとわからないため、出張調査をすることに。

●2月7日

何とか午後に都合をつけ、実家へ向かう。
実家付近は最寄り駅からのバスも激減していた。
タクシーに乗るのも勿体無いので、健康のため歩いていくことにした。
決して財布のためではない。

風が強く吹いていて、心が折れそうになったが、実家に到着。

母「忙しい中、ごめんね」
P-M「気にしないで。ところで、このたくさんの靴は?」
母「弟が連れてきた友達。今、2階で遊んでいるよ」
P-M「あ・そ・ん・で・い・る・?

さすがにこのときは殺意がわいた。
なんだよこれは。

ま、まぁ、せっかく来た矢先に怒るわけにもいくまい。
気を取り直して作業に移ることにした。

母「電源を入れるね」

WindowsXPのプログレスバーが7〜8回動き、ログオン画面が表示。
多少遅いかなと思ったが、十分許容範囲じゃないか。
もしかして20分じゃなくて20秒の間違い?

パスワード入力後、Windowsのデスクトップが表示される。
同時にタスクトレイにアイコンが…でない。
ガリガリとHDDが音を立て続ける中、2分後くらいになって、ようやくNorton先生が姿を現した。
その後もかれこれ20分以上、ドラム缶は光り続けた。

P-M「なん…だと」


結局、おとなしくなったのはそれから10分後。
起動してから30分である。

P-M「むぅ…」
母「なんでこんなになっちゃったんだろう」
P-M「ちょっと診てみるわ」

スタートメニューが出るまで15秒、右クリックしてメニューが開くまで30秒、タスクマネージャに至っては60秒かかった。
これはイラッとするな。

もはや修行と言っても過言ではない状況。
精神を無にして、なんとかタスクマネージャのリソース画面を開けた。
CPUの使用率はほぼ0に近い。
メモリの使用量は…450MB。
物理メモリを256MBしか積んでいないのに。
HDDがガリガリ言っていたのは、スワップが発生しまくっていたわけね。

P-M「診断の結果、メモリ不足であることが判明しました」
母「256しかないものね。これでNortonは厳しかったか」
P-M「詳しいな…」
母「Nortonの箱に動作要件:最低256MB以上って書いてあったし
P-M「わかっていて入れたんかい!」
母「どうすれば良いかな」
P-M「メモリを増設するしか。幸い、このノートPCはメモリが増設出来そうだね」
母「メモリって買えるの?」
P-M「ちょっと古いモデルだけど、まだあると思う。これを機に(この機種に搭載できる)最大の1GBを買ったら?」
母「いくらくらいか価格.comで調べてよ
P-M「こ、このPCで、重いことで有名なあのサイトを見ろと…!?」


ブラウザを起動。
30秒後に無事に、Yから始まる赤いロゴのページが表示された。
速い!…と思うほど、この時点で感覚が麻痺しつつあった。
Firefoxじゃなくて良かった。

アドレスバーにhttp://www.kakaku.comと入力し、Enterキーを押下。
10秒くらい無反応であせったが、http://kakaku.comにリダイレクトされたためだった。
いつアプリケーションが落ちるかヒヤヒヤするので、この数秒が寿命を数分縮めてくれる。

50秒後に価格.comが表示された。
ここからは機種にあったメモリを選択すべく、最少手順で製品情報まで飛ばなければならない。
このPCにあうメモリを確認するためにメーカーのサイトへ飛ぶと、あと1時間は覚悟しなければ。
PHSの遅い通信速度だったDDI Pocket(現Willcom)を使っていた頃を思い出して涙が出てくる。

P-M「製品マニュアルってある?」
母「マニュアル?説明書ならあるけど」
P-M「…それです」

P-M「このPCのメモリはDDR333 PC-2700のS.O.DIMMか。
   256MBか512MBくらい増設すれば、それなりに動くと思うよ」
母「最大でどれくらい?」
P-M「1GBだね。
   そうなると元々ついている256MBが無効になるみたい」
母「どれくらい?」
P-M「えーっと、ノーブランドだと…」
母「ノーブランドはちょっと…」
P-M「グリーンハウスとか、Elixirは」
母「聞いたこともないメーカーは嫌だ」
P-M「ぐぬぬ…。(自作派には)有名なのに。
  じゃあこのマウスと同じELECOMとかBUFFALOは?」
母「いくら?」
P-M「4000円前後かな。最安値では」
母「◯◯とか聞いたこともないお店ばっかり。Amazonとかないの?」
P-M「Amazonは…あった!6000円と書いてあるよ」
母「それくらいの差だったらAmazonにしよう」
P-M「ブルジョアめ」
母「だって今は送料無料だから」
P-M「1500円以上だから、前から送料無料だよ」
母「ちゃんと在庫ある?大丈夫なら注文しちゃっていいよ」
P-M「アイ、マム」

1−Clickに設定してあったので、早々に注文完了。
価格.com接続後、約20分という好記録をマークした。

一仕事終えた自分の目に映ったのはBlu-rayレコーダー。
機種はPanasonicのDIGAで、話を聞くと昨年末に購入したらしい。
やはりブルジョアだ。


●2月8日

翌日、まったりとコーヒーを飲んでいたらメール着信。
送信者は実家の母。

「今日メモリが届いたので、自分でやれそうだからトライしたよ。
 三回目で成功したらすごいサクサクと動くので感激です。ありがとう」

お急ぎ便でないのにAmazonさん早いな。
というか、三回目ってなんだろう。失敗した二回はなに?

やぼなツッコミはなしにして、素直に祝辞のメールを返信。
思えば結局一人で片付けてしまったなぁ。
さすが、PCにCraving Explorerが入っていただけのことはあります。

コレであともう少しは使い続けられそうだが、もう手を入れるところがないので、次はいよいよ入れ替えだろう。
その時こそは愚弟が活躍することを祈る。
SOTEC信者ということが若干心配ではあるが…。

終わり。

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