ティーリーグ激闘記録(2008年3月2日)
第八章第4話
〜パイレーツ・オブ・カトリアン〜
春の足音というものが聞こえるならば、耳を澄ませばようやく聞こえる程度の昼下がり。
足音というからには、春というのは二足歩行あるいは四足なのだろうか。
四季を感じさせない部屋の中で、これまた季節を感じさせない、ノートというには少しばかりサイズが大きい機械の前で、
脳という名のハードディスクドライブからデータを検索していた。
2008年2月21日
346とかいう数字だけのふざけた名前の輩が、挑戦状をたたきつけてきたのが昨年の12月のこと。
ヤツはオレの専売特許である重量級マシンに対抗するなどと無謀かつ無意味、無益な計画を企て、
四天王(定員割れ)の中で最強などとのたまった。
思えば、ここから346と真の因縁の対決がはじまったのだ。
忘れもしない2月17日。運命の日。
何の前触れもなく激闘本編に特攻してきた346。迎え撃つのはなぜかあさがや。
当然、1ミクロンも期待していなかったが、期待しなかった通りあっさり敗北。
346は重量級マシンの使い手として、デビュー戦初勝利という華々しいデビューを飾った。
12月時点のオレの存在はなんだったのか。
このままでは346にレギュラーを奪われ、外伝に押し込められてしまうのだろうか。
それは困るな。特に身に覚えのない舌打ちは勘弁願いたい。
こうなったらオレのやることはただ一つ。
346に直接対決を申し込み、完膚無きまでに撃破することだ。
別に元祖重量級マシンのオレを忘れた腹いせじゃないからな。
思い立ったが吉日。オレは自分のブログで挑戦状をたたきつけてやった。
346のトサカ頭を刺激しない程度の内容で。
●某所にて
P-M「お、カトリのブログが更新されているぞ。なになに…」
346よ、不本意ながら最重量マシンの称号を譲ったが、近々返してもらう。
首でも洗って待っているが良い。
P-M「なんだコレは。犯行予告か?」
346「眉間にしわ寄せて何を見てんだよ」
P-M「カトリが"346如きがいい気になってんなボケ!"だってさ」
346「何だと!即、乱闘だ!乱闘パーティだ!!」
●賊魔殿
今頃346は闘志を燃やしているだろう。
オレも同じだ。
どうやって346のマシンを料理してやるか。ただスピードで勝っても面白くないな。
半時ほど思慮した後、アイツが記憶の片隅にある鍵付きロッカーに格納したであろう、
重量マシン対決をやってやることに決定した。
かといって、別に1kgオーバーのマシンを作るわけでもなく、とりあえずの目標は重量UPだ。
オレは地下倉庫に直行、あっさりとミニ四駆の初代セッティングウェイトの8gを発掘した。
徳川埋蔵金のようにもう少し苦労してもいいんじゃないか。
あ、アレはまだ見つかっていないか。
重量級対決ということで、選んだマシンはもちろんコイツ。
画像提供:カトリ氏
通称「カベ」である。
このころと比べると、春になってコートを脱ぎ捨てるが如く、ずいぶんと身軽になった。
発見したウェイトを装着すべく作業に取りかかろうとしたものの、
発掘作業に伴った体力の消耗により、今日のところはマシンとパーツを監視しただけにとどまった。
なお、作業前後の結果をコンペアしたが、相違点はまったく表示されなかった。
2008年2月27日
発掘作業完了から一週間が経った。
ウォーターフォール・モデルを典型とするソフトウェア開発ライフサイクルで、要件分析/定義から仕様決定、外部設計あたりまでの工程、いわゆる上流工程(By.@IT)が完了しているべきであるが、恥ずかしながら未着手であり、スケジュールに大幅な遅れが生じている状態である。
そもそも、当該プロジェクトは明確な線を引いていないのでリスケのしようもなく、オレは計画性もなくのんべんだらりと作業に取りかかった。
数秒後、とたんに襲ってくる睡魔と倦怠感。
何だろうか、この「勉強をしようとしたら勉強しなさいと言われてやる気がなくなった症候群」に似た状態は。
画像提供:カトリ氏
結局、今日のところは、ところどころにウェイト増設という、
各メンバーから失望されないギリギリのラインを保つことで幕を閉じた。
その後、他の面子はもちろん、あさがや模型部部員からもクレームや抗議のたぐいはなし。
補足事項として、前者はまったくのノーリアクション、後者はオレ一人だけということを申し添えておく。
そして、2008年3月2日
カトリ「来たか…。この日が」
P-M「完成したのか。ちょっと見せてくれよ」
カトリ「本来ならば民間人には閲覧する権利が無いのだが、今日は特別だ」
P-M「民間人…?」
・
・
・
P-M「ほう。セッティングウェイトをさらに増設したのか」
カトリ「肯定だ。8gのウェイトを両サイドに装着した。さらに、ただ重くするのではなく、安定性のバランスを調整しつつ…」
P-M「ほう」
カトリ「120mm砲と自動装填装置を装備し、遠方への迅速な攻撃、円滑な装填を実現している。さらに1500馬力のディーゼルエンジンを搭載することにより、急勾配や足場が不安定な地域においても突破することが可能となっている。走行も厚いが、反面、乗員室が狭い為、長時間の移動には向かない」
P-M「待て待て。後半の説明は明らかにおかしいだろう。まるで戦車じゃないか」
あさがや「あの、お取り込み中、ちょっとよろしいでしょうか」
カトリ「何だ、言ってみろ」
あさがや「長い前フリがあって事態が飲み込めていないんだけど、今日は346とカトリがバトルするってことだよね」
カトリ「肯定だ。極力、武力制圧ではなく、話し合いによる解決が望ましいのだが」
P-M「武力制圧って何だよ。あと、話し合いで解決したらレースにならないだろうが」
カトリ「ところで346はまだか。まさか兵糧攻めか…?」
P-M「346なら今日は来ないぞ」
カトリ「なんだと!この期に及んで情報操作するつもりか!?」
あさがや「さては遅刻だな。遅刻するなんてサイアクだな。ルーズだ。ルーズすぎる」
P-M「どちらも違う。346は今日は用があるというので、レースには来ない。以上」
カトリ「…」
あさがや「どうした?」
カトリ「クックック…黒マテリア」
あさがや「うわっ!久しぶりにカトリが暴走した!!」
P-M「やばい!CM入れるぞ!!」
ゆっくりしていってね!!
続く…のか?