小室哲哉引退に思う

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年明け間もない、2018年1月19日。
小室哲哉さんが会見を開きました。

その内容は「自発的な音楽活動からの引退」

ことのきっかけは週刊文春の不倫を報じるスクープ。
以前から体調不良だった小室さんに献身的につきそい、朝まで過ごしたということが不倫とされてしまったようです。
当初はこれに関する説明と釈明と思われたのですが、フタを開けてみると現状の報告と引退というショッキングなものでした。

会見の内容はナタリーが詳しく、公平に書かれています。

小室哲哉、涙の引退会見「悔いなし、なんて言葉は出てこない」
https://natalie.mu/music/news/265902


以前より何度も引退を考え、ほのめかしていた小室さん。
過去のTwitterやインタビュー記事でも、その様子が何となく伝わってきます。
KEIKOさんの病状、ご自身の体調、精神的負担等々、いろいろ重なっていたときに、いわゆる「文春砲」が放たれ、
文春の記事に真っ向から反論する気力も無く、心がポッキリと折れてしまったのでしょう。
文春はきっかけにすぎない、と。

それを赤の他人が鬼の首を取ったかのように大々的に報じる必要があるのか(しかも誤報だし)、
安藤裕子、トレンディエンジェル斎藤、木村太郎、東国原、和田アキ子が、自分が被害にあったわけでもないのに
事実を知りもせず、何を偉そうにしているのか、色々頭に来ることはあります。
ただ、やはり介護は肉体的にも精神的にも非常につらく、その状況で自身のことをサポートしてくれた方と仲良くしただけで
不倫などと断じてしまうのは、人間として浅はかとしか思えません。
 



私と小室さんの音楽との出会いは、ぼくらの七日間戦争。
主題歌がTM NETWORKの「SEVEN DAYS WAR」でした。
小説版がものスゴく流行っており、人気絶頂の宮沢りえが初主演というのも話題になりました。
そのときはあまり強い印象はなかったのですが、このあたりから、
シティハンターの主題歌だったGet Wild、渡辺美里さんのMy Revolution、中山美穂さんの50/50といった
耳に残る音楽のほとんどが、小室さんの作曲だということを意識し始めたと記憶しています。
後に学友からTMNのTime Capsuleを借りたとき、どの曲も新鮮で嬉しかったな。

その後、trf、篠原涼子さん、安室奈美恵さん、globe、華原朋美さんに代表される、
いわゆる「TKブーム」がやってくるわけですが、以前より注目していた小室さんが大ヒットしたのが嬉しい半面、
「緻密な計算に基づいてヒットを飛ばす敏腕プロデューサーTK」という、イメージとは離れた彼の姿に違和感がありました。
私の中では口下手で騙されやすい、意地っ張りですぐムキになる見栄っ張りでB級アイドル好きな「哲ちゃん」だったので。

GLAY、ラルク、宇多田ヒカル、MISIAといった次代のミュージシャンが登場し、TKブームが終焉を迎えます。
鈴木あみさんが一段落し、TM NETWORK、globeはメインストリームとは離れた音楽づくりになっていきました。
小室さん的にはこのあたりに色々思うところがあったようですが、私としてはTMのMessage、IGNITION,SEQUENCE,START、
globeのTry This Shoot、genesis of nextは、非常に素晴らしいデキだったと思っています。

2008年、小室さんは詐欺容疑で逮捕されました。
細かくは省きますが、お金に困った末の犯行ということですが、彼は音楽のこと以外はズボラで騙されやすい人なので、
人の言うことにうんうん頷いているうちにそうなってしまったのでしょう。
この時期のクオリティは、当時の松浦社長もおっしゃっているとおり、非常に低レベルで雑だったと思います。

保釈後、avexからAAAの仕事をもらい、浜崎あゆみに楽曲提供、TMの再始動等々、細々と活動してきました。
しばらくは音楽が作れることが幸せ、次々にメロディーが湧いてきて100曲くらいストックが出来たとおっしゃっていましたが、
回復の兆しが見えないKEIKOと、ご自身の体調不良、90年代のような爆発的なヒットに恵まれなかったことへの不安が募っていったようです。
私のようにHow do you feel now?を口実に安室奈美恵さんのアルバムを買ったり、
浅倉大介さんとの待望のユニットであるPANDORAを楽しみにしていた、今も応援し続けていた人間にとっては、
別に売れなくても良いし、やりたい音楽をやれば良いと思うのですが、そう簡単な話ではなかったようです。



話は戻りますが、小室さんの発言を見ると、やはりまだ音楽への未練は捨てきれていないように感じました。
鬱のような状態から思い込みにより一人で暴走したような感じもあるので、まずはしっかりと体と心を休めて、
色々な人と話しをして欲しいと思います。
小室さんのゆとりが出てくれば、KEIKOさんとも幸せの表現(gaball)のような日々がやってくるかもしれませんし。

そのうえで、引退撤回でも良いではないでしょうか。
本人は才能が枯渇したとおっしゃいますが、全然そんなようには感じません。

SNSで楽曲を公開するスタイルもあるかと思いますが、承認欲求が強いからどうかな…。
「あれだけの引退発表しておきながら、コムロは優柔不断でどうしようもない奴だな」と笑いながら、再び応援できる日がくることを夢見て。

最後になりましたが、今までありがとうございました。
小室さんは私の人生に影響を与えた、尊敬する人生の先生です。