第51回静岡ホビーショーレポート(その2)〜エアロアバンテ&ARシャーシ編〜

画像の量が多いので、分割でレポートを掲載します。
レポート:その1その2その3その4




ミニ四駆30周年の今年を盛り上げるフラグシップ、そしてニューマシン「エアロアバンテ」がついに姿を現しました。
まずはディスプレイの動画をご覧ください。



では次は写真でじっくりと見ていきましょう。


エアロ アバンテ(ARシャーシ)
7月発売 定価:945円
ミニ四駆発売30周年を記念した新シリーズの第1弾がエアロ アバンテ。名前のようにボディからシャーシまで空力を追求。強度の高いモノコック構造のARシャーシは下面をスムーズに仕上げるとともにダウンフォースを意識したディフューザー形状。ボディを装着したままモーターや電池の交換が可能。モーターカバーなどのAパーツは低摩擦樹脂を使用しました。




まずは内容のチェック。
ボディ側は「アバンテのイメージを残しつつも新たな解釈でリ・デザイン」とあり、「2012年のアバンテ」を意識したメッセージ性が感じられます。
ステッカーはミニ四駆PRO、プレミアムシリーズなどでおなじみのメタリック調。
モーター、超速ギヤ付属。
プロペラシャフトはTZ、スーパー1、ゼロ、VSシャーシなどと同じプロペラシャフトA。
クラウンギヤも同シャーシと同じ。
ターミナルはスーパーX/XXと同型との説明を受けました。


ボディカラーはアバンテJr.と同じ。
エアインテークはきちんと穴が開けられています。


エアロアバンテに採用されるのは、タミヤの技術の結晶「ARシャーシ」。
空力特性を重視した完全新規のニューシャーシです。



F-1をイメージしたというボディは、後述するARシャーシのゴツさをうまく隠したスタイリッシュな感じ。
初見〜5月上旬までは正直なところイマイチな印象を持っていましたが、実物を見るとガラッとイメージがかわりました。
なかなかイイじゃないですか。


サイドから。
ローハイトタイヤを履いているせいか、かなり車高が低く感じます。
ARシャーシ専用のボディだけあってフィット感も良し。



リヤは まさにF-1のウイングのような形状。
ボディキャッチは新形状となる「ロケットエンジン形状」が採用されています。


底面からのアングル。
ウイングは支えが2本になっているので強度面で不安。
取り外しが可能ですので、格好が気にならない方は思い切って外してしまうのもアリですね。


ARのメインシャーシ。
フロント、リヤバンパーを一体化したモノコック構造により、強度を確保。
取り付け、取り外しはできませんが、強度を犠牲にしてバンパーをカットしたり、FRPで補強するなど、レーサーの工夫次第で色々な顔を魅せてくれる面白そうなシャーシです。


いわゆるAパーツ。
ABS樹脂製のため、強化タイプではありません。
今後のラインナップに期待でしょうか。

ギヤカバーやバッテリーカバーの大型化に伴って、ランナーも大きくなりました。


ARの完成図。
左が下面から、右が上面からです。
パッと見ただけでは分かりづらいですね。


上面から。
モーターやバッテリーの熱をおさえるためのエアインテークが各所に設けられており、空力を意識した…というのは、空気の力も利用するという意味も含まれていたのかと納得しました。


リヤホイールの部分に注目。
今までのミニ四駆はプラベアリングに金色のハトメを装着していましたが、ARでは低摩擦タイプのプラベアリングが使用されるため、それが不要になりました。
地味ですが嬉しい改良ですが、プラスチックの状態には気を配る必要がありますね。


今度は下面から。
ARの大きな特徴として、ボディを装着したままバッテリーやモーターの交換が可能になっています。


このようにシャーシの裏からカバーを外してあげます。
バッテリーカバーが底面に移動したおかげで、低重心化にも寄与しているそうで、マシンの安定性向上に効果がありそうです。


フロントバンパーは、スーパーIIと同じくたくさんのガイド穴が用意されています。
ただの変革だけでなく、過去のシャーシの良いところは積極的に取り入れられているのが好印象。


下面。
空力だけでなく強度も計算された作りになっていることがわかりますね。


モーターはミニ四駆PRO(MSシャーシ)で採用されている両軸ではなく、ミニ四駆シリーズで使われている片軸のもの。
前述したとおり、ターミナルはX/XX用、プロペラシャフトとクラウンギヤはTZ、スーパー1、ゼロ、VSシャーシなどと同じものが使えます。
この写真からはカウンターギヤが見えませんが、ギヤシャフトはVSやX/XXなどで使われているツバ付きのものです。


モーター、バッテリーが下面から外せるので利便性は向上しましたが、その分、下からショックを受けたときにダイレクトにくることによる損傷が心配です。
あとはXシャーシのようなズレや歪みの発生など。
その点はタミヤもじゅうぶんテストしていると思いますが、スーパーIIシャーシの二の轍を踏まないことを祈ります。


リヤステーはARシャーシ本体と一体化されていますが、アンダーパーツは下面からビスどめされているため、取り付け、取り外しが可能。


タミヤのスタッフの方がバッテリーカバーとモーターカバーの取り外しを実演してくれました。
これはバッテリーだけを交換する場合。
バッテリーカバーにある複数のツメでシャーシと固定する方法のため、走行中に外れにくいようになっているとのことです。


モーターカバーだけ外した状態。
モーターの交換はもちろん、この状態で慣らし運転やグリスアップも可能です。
写真は走行中のときで、音は非常に静か。


今度はギヤの交換。
こればかりはボディを外さないと出来ません。
しかし、バッテリーやモーターは外さなくて良いという利点も。


スタッフの方の操作を見つつ、シャーシの持ち上げなども注視していたのですが、少し重いものを持ち上げるような動きに見えました。(抽象的で申し訳ない)
自分で持ったわけではない(触れない)ので、単純な推測かつ憶測ですが…。


パーツの装着例。
中央のマスダンパーや、強化されたサイドのガイド、リヤステーの形状を見ると、今の上位レーサーたちのセッティングを徹底的に研究したことが伝わってきます。


歴代のシャーシの比較。
ARは全てにおいてバリ5ですが、ここらへんは電波と同じで場所と状況によってつながりやすかったりつながりにくかったりするものだということで。


エアロアバンテのパッケージ。


側面から。
REVのロゴが目立っています。


逆のように見えますが逆ではありません。


エアロアバンテの横に意味ありげに並ぶフルカウルミニ四駆のマシンたち。
これは一体…?


サイクロンマグナムに目をやると、なんとARシャーシに搭載されているではありませんか!
歴代のボディで無改造のままARシャーシに搭載可能なものがあるようで、スタッフの方いわく「TZシャーシのマシンはほとんどOK」とのこと。


※クリックすると拡大します。

配布されていたリストにはこのように書かれています。
タイプ1のサンダードラゴンJr.や、タイプ3のライジングバード、タイプ4のセイントドラゴンJr.リッキー仕様(表記誤っていますね)、ゼロシャーシのホライゾン、VSのスラッシュリーパー、さらにはスーパーFMシャーシのストラトベクターまで!?
シャーシの差ではなく、純粋にマシン形状によるものでしょうか。

付随して使用可能なグレードアップパーツも記載されていますが、駆動系やシャフト以外はあまり気にする必要は無し。


最新のタミヤミニ四駆カタログにはエアロアバンテが掲載されています。
見かけましたらぜひゲットを。


「歴代アバンテの系譜」ということで、各時代を代表するアバンテたちが展示されました。


アバンテJr. (1988年)


ア前テアメリカン (1990年)


アバンテ2001Jr. (1990年)


アバンテ2001Jr.(VSシャーシ) (2003年)


アバンテRS (2004年)


アバンテMk.II (2006年)


アバンテMk.IIIアズール (2008年)


アバンテMk.IIIネロ (2008年)


スーパーアバンテRS (2011年)

 
エアロアバンテはこれからのミニ四駆の命運を背負って立つといわんばかりの力の入れようで、30周年やジャパンカップのロゴ、タミヤブースでの大々的な展示、タミヤオープンハウスでの金型部、グラフィックデザイン課で説明用等々、至る所で目にしました。
リメイクやコラボも良いですが、やはり「これがミニ四駆なのか!?」と驚くような商品こそがミニ四駆の真骨頂だと思います。

ミニ四駆REV、そしてミニ四駆が今後どのような道をたどるのか引き続き注目していきたいですね。

その3へ続く!

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