賊魔殿

P-M「あちゃ〜」
カトリ「どうした?」
P-M「ちょっとコレを見てくれよ」



カトリ「タイヤのカドがボロボロな上に、ちょっと黄色っぽく変色しているな」
P-M「そうなんだよ。蛍光イエローのホイールにつけていたからか、その色が移ってしまって…」
カトリ「ほう。そういえば反対側のタイヤとはまったく色が違うな」
P-M「性能が落ちるわけではないけど、まいったね。こりゃ」
カトリ「そんなに気になるなら新品と取り替えれば?」
P-M「いや、まだ使えるからいいよ」
カトリ「そうか。オレはまだあと3つくらいストックがあるからな、この中に」



P-M「なんだコレは!!」
カトリ「ん?パーツボックスならぬパーツ袋だ」
P-M「ビニール袋にパーツが大量に入っている!」
カトリ企業秘密だからな。むやみに中身を見せるわけにはいかない」
P-M「企業秘密って…。一体あの中はどうなっているのだろうか」
カトリ家の地下倉庫から持ってきた、とだけ言っておこう」
P-M「地下倉庫!?」
カトリ「あれ?話していなかったか。では、いい機会だから説明しよう」


・カトリ家、地下倉庫の話


我が家には先祖代々、食料や金、物資などを地下の倉庫に入れる風習がある。
その地下倉庫にはご先祖様が残した大判小判や、万が一の場合に備えて缶詰を保存しているんだ。
あ、写真はイメージだからな。


そんな血を引いたこのカトリ様だから、ミニ四駆やダンガンのマシン、パーツを貯めるのは運命と言える。
この間発売されたナイトレージJr.もこの通り。
そうだな、どんなマシンやパーツもそれぞれ常時10セットずつ保管しているんだ。
あ、しつこいようだが写真はイメージな。


見ろ。
このマシンなんて裏も表もセッティングウェイトでビッシリだ。
これも地下倉庫にパーツを保存しておいたおかげで、ものの30分で作成できた。
あ、ウェイトは在庫が10を切ったから5個ほど買い足しておいたがな。



カトリ「以上だ」
P-M「異常だ。さすが賊の異名を持つだけのことはある」
カトリ「うらやましいか、庶民よ」
P-M「いやはや。しかしカトリとの付き合いも長いが、地下倉庫の話なんて初めて聞いたぞ」
カトリ「あぁ、だってウソだし」
P-M「そうかウソか…って、やっぱりウソかよ!」
カトリ「いやぁ、だって以前、こんなこと言われたじゃん」

カトリ「…って、あれ?」
P-M「散々引っ張ったわりに面白みのない答えだったな」
あさがや「まったくだ。空気の一つも読めないのか」
カトリ「なにこの質問トラップ…」
あさがや「ウソでもいいから巨大な地下倉庫に保管してあるとか言えば盛り上がったのに」

激闘記録第4章第3話より)

カトリ「あれからずっとくやしくて…」
P-M「(もう二年近く前のことじゃん…)」
カトリ「そんな悲しい思い出も今日でお別れだ」
P-M「あ、あぁ…。そろそろあさがやも来るし、練習走行でも始めようか」

カトリ「よし、今日も快調!って、あぁー、タイヤが外れた!!」
P-M「ベアリングらしきものがあっちに飛んでいったぞ」
カトリ血眼になって探せ!ベアリングは高いんだ!!なくなったら大変だ!!!
P-M「う〜む。あの姿を見ると、やはり地下倉庫の話はウソだったとわかるな」