zaurus SL-C760をさわる


CLIEに不自由を感じていたわけではないのですが、長い間PalmOSをさわっていると「飽き」のような感情がわき上がってきました。
1秒とかからないアプリの起動、豊富なフリーソフト、ジョグダイヤルなどなど、とても魅力的なマシンなので手放すのはかなり躊躇しました。
が、仕事柄UNIXを使っている身としましては、やはりLinux搭載のPDAであるZaurusに行き着くのは時間の問題。
後戻りできないようにCLIEを売ってからZaurusを購入してしまいました。
 
ここでは自分なりの感想や思ったことをCLIE(NX70V)との比較を交えながら書き連ねていきます。
Zaurus SL-C760とは?

大ヒットした「リナザウ」ことSL-C700の後継です。
大きな特長はOSにLinuxを採用していること。
これによりLinuxの資産を生かせるほか、コンソールを使ったCUI操作も可能。
もちろんPDAとしての機能も充分で、スケジュール、アドレス帳などのPIM用途はもちろん、インターネットから画像編集、動画再生などなんでもこの1台でこなせます。
前作の700と比べ、PXA255 400MHz、フラッシュメモリ128MB、64MBのSDRAM、大容量バッテリを標準搭載など、かなりパワーアップしています。
特にSDRAMが64Mになった恩恵は大きく、メモリ不足でアプリケーションが落ちたりすることがほとんどなくなりました。
前作で好評だった3.7型システム液晶、QWERTY配列のキーボードは引き継がれているのも安心感が高いです。

使ってみての感想

長い前置きはここまでにして、実際に使ってみてどうなのよ?といったところを書いてみたいと思います。

・液晶
メチャクチャ見やすいです。さすが液晶のシャープといったところ。
システム液晶とVGAの組み合わせは、今までのPDAの中ではダントツのトップでしょう。
弱点は屋外というか日光の当たる場所では視認性がほぼ0であること。
外で歩きながらモバイル…という用途には向きません。

・キーボード
今まではキーボードを使わずにグラフィティ一筋だったので、PDAでのキーボードの必要性を疑問視していたのですが、この機種ではキーボード必須です。
適度な打ちやすさなので、ますます使いたくなってしまう(笑)。
おかげで手書き入力はほとんどやらなくなりました。
後述するKeyHelperというソフトを使うと格段に使いやすくなります。
残念なのがCFカードを挿すと、出っ張りがあたって使いにくくなること。

・ビュースタイル
残念ながらあまり使い勝手が良くないです。
自分が想定していた「片手で80%くらいのことはできる」という夢は儚く散ってしまいました。
あくまで「ビュー」であって、操作に関して期待する方が間違っているのかも。
もし、Palmの「OKey」のようなソフトが出たらシェアウェアでも5000円くらいまでなら出します。
(OKeyが自分にとってキラーアプリでした。)

・インターネット
ネット環境は極めて良好です。
Zaurus用にチューニングされたNetFrontはかなり効果が高いです。
また、大抵のCF通信カードは動きますので、有線・無線LAN、PHSなどなど不自由なくネットができます。

・重量
でも前に使っていたのがCLIEのNX70Vだったのでそれほど気になりませんでしたが、実はかなり重いです。
要は慣れと気合いです。

使っているアプリ

・KeyHelper Applet
キーをカスタマイズできます。
キーをランチャーに割り当てたり、タスクスイッチャーとして使用したり、さらにはZaurusでは入力しにくい/(スラッシュ)などを別のキーに設定することもできます。
SLザウルス使いなら必須。
 
・datebook2
置き換えカレンダー。いわゆる予定表。
PalmではKsDatebookという素晴らしいアプリがありましたが、ザウルスではコレ。
一覧性が高く、ToDoの表示もしてくれます。
なぜか自分の環境では当日の色がリアルタイムに変わってくれません…。
 
・TTextReader
PilowebProを使っていた腐れ縁で、階層付きテキストを読むビューアが欲しかったのですが、このテキストリーダはベストマッチでした。
とにかにビュースタイルでの使い勝手がイイ。
欠点はテキストのデータ量が多いと動作が重くなること。(本体の性能の問題?)
 
・qpop
Zaurus版npop。
標準のメールソフトと比べて動作は軽快で、使っていて気持ちがよい。
キーの遷移にちょっと気になる部分がありますが、非常に重宝しています。
 
・Zeditor
SLザウルスのエディタといえばコレ。
何でも器用にこなす操作性と、軽快な動作が魅力。
完成度高いです、ホント。
 
・モバイルマップNavi
CF-GPS2と組み合わせて使用しています。
ダウンロードと地図の読み込みにクセがありますが、やはりザウルスをハンディGPSとして使える便利さは使ってみないとわかりません。
ソフトのせいではないのですが、VGAモードではノイズが乗りまくって使い物にならないのが残念。
アンテナ買おうかなぁ…。
 
・NetFront
ブラウザです。
かなりチューニングされており、高速起動にチェックを入れれば0.8秒で起動というのはダテじゃない。
システム液晶と相まって、かなり視認性がよいです。
タブの大きさやブックマーク周辺は改善の余地あり。
 
・メール
良くもなく悪くもないメールソフト。
メールキー押しっぱなしで受信を開始してくれるのを最近知ってからは評価がアップ。
 →訂正。
   メール受信時にハングって以来、メールの受信が出来なくなった。
   メールが増えてくると動作が重くなっていたし、使い込むほどにダメさ加減が見えてくる。
 
・イメージビューア
 縮小ができるが拡大ができないという点を除いては、まぁまぁの評価。
 巷ではあまり評判がよろしくないですが、自分は好きですよ。このソフト。

・アドレス帳
これも平凡。
可もなく不可もなくといった感じですが、クセがない分使い勝手はよいのかも。
 
・Movie Player
動画を再生する”だけ”のソフト。
スクロールバーを表示させるにはメニュー付きの普通の画面を使用しなければならず、フルスクリーンではスクロールバーが表示されない。この中間がないのがツライ。
フルスクリーン時での動作が重いのも気になる。
 
・Music Player
MP3を再生する”だけ”のソフト。
特に凝った作りでもなく、プレイリストこそありますが、ディレクトリにわけた場合に自動的に再生できない、ZIP圧縮ファイルも再生できない、レジュームから復帰する際にメモリを食いまくるなど、専用機にはとても及ぶレベルではない。あくまで緊急用。
本体の音質は中の下。思ったよりはマシでしたが、さすがに高音は見事につぶれる。
ここらへんはCLIEに軍配があがる。
 
と、いろいろ書き連ねました。
自分勝手な評価を並べてしまいましたが、時間があったらまた書きます。
ここまで読んでくれてありがとうございました!!