「もういいだろう。さぁ、そろそろ軽井沢へ行くぞ」
「ここから北に行くとめがね橋っていうのがあるらしいぜ」
「ドラクエの住民っぽいセリフはいいから、軽井沢に急ぐぞ」
「めがね橋に行くか? はい/いいえ」
「いいえ」
「すまん。聞こえなかった。で、めがね橋に行くか? はい/いいえ」
「いいえ」
「すまん。聞こえなかった。で、めがね橋に行くか? はい/いいえ」
「…はい」
「そんなに行きたいっていうんじゃ仕方ねぇな。さっさとクルマに乗り込め」
「……はい」
●めがね橋
「めがねめがね」
「探さなくても目の前に見えているだろう。あれがめがね橋だ」
「ガッシリしているな。めがねという名を聞いてヒョロメガネをイメージしていたぜ」
「ヒョロメガネって誰?」
「(無視しながら)橋の上にも行けるらしいぜ」
「まぁ、断ろうにもさっきのドラクエループが出てくるのだろうし、行ってやるか」
●めがね橋上
「疲れたな」
「甘いことを言うな346。こちとらビリー教官のキャンプに参加中で筋肉痛なんだぞ」
「オレだってヒョロメガネのキャンプに参加しているぜ」
「だからヒョロメガネって誰だよ!」
「(無視しながら)やっぱり軽井沢はやめた」
「へぇ、やめたのか…ってえぇ?ここまで来ておいて今更!?」
「黒部にする」
「確かにあそこはいいぞ…って、そんな簡単に変更していいの!?」
「面倒だしいいや。黒部に決定!」
「いい加減なヤツだな。黒部に行ったことあるの?」
「ない。でもアテはあるぜ。この春にちょうど行ったヤツがいて…」
「"ちょうど"じゃないだろう。まさか人から情報を引き出そうとか思っていないだろうな」
「言うまでもない。頼むぜ」
「あんたって人はー!!」
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もしよろしければ。
初出:2007年7月29日 峠の茶屋「母を訪ねて346その6」