火鳥泉行の金欠(その1)

前回の金欠事件、いわゆる「わりと長いカトリの二日」から10ヶ月が経った。

時は2007年12月24日−
クリスマスムード一色の街に、悲しみに暮れる独りの男の物語である。

・12月22日(土)

「バッティングセンターに俺、参上!」

マイバットを持参し、行きつけのバッティングセンターに到着した。
ここは1ゲーム(20球)300円だが、メダルを購入すると1,000円で4ゲームが可能となる。
いつの間にかWebサイトも出来ていたようだが、ロゴが莫大な情報量を持ち、情報体が目覚めると困るので割愛しよう。

ケージを見渡すと人っ子一人いない。
さすがに朝10時は早すぎたか。
反省したと同時に、自分だけという優越感と開放感が味わえることに喜んだ。
こうなったらとことんやるか、とその場の雰囲気に流されて10,000円をメダルと両替した。
10ゲーム分メダルを買うごとに、追加でメダルをプレゼントされるらしいが、受付のお姉さんが蔑むような目で見てきたので、バント(プッシュバント)の練習だけして今日は退散した。