クレ346(その4)

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ドトールに入店する。
 
「やっぱりクーラーのある場所はいいな」
「で、計画とやらを説明してもらおうか」
「UFOは探さない」
「…は!?」
「だから、UFOなんていないんだ!」
「…いやいやいや、探さなきゃ!UFO!!」
「P-Mさん、何言ってんですか。UFOなんているわけないじゃないですか」
「早くUFOを探さなきゃ被害が拡大する!」
「はぁ…。暑さで頭がフットーしたんですか?」
「あきらめろよ。P-M」
「あ、あれ…?」
 
ここでようやく、自分がUFOを必死で探しているような空気になっていることに気付いた。
弁解しても事態は好転しないだろう。
むしろこのまま解散という流れがもっとも面倒くさくなく、後腐れの無い結末を迎えるだろう。
しっくり来ないが。
 
「よしわかった。今日は解散しよう!」
「その提案は受け付けられませんね」
「ではまた明日…って、えぇ!?」
「先程のUFO話が気になります。未確認飛行物体。もしかしてP-Mさん、その正体をご存知なのでは?」
「えーっ?知らないって!」
「オレもコーヒーがまだ残っているし、せっかくだから聞いてやるぜ」
「さ、サンシローっ!謀ったな!!」
「ではP-Mさん、続きをどうぞ」
 
そう、346は後輩が隠れオカルト愛好家であることを知っていたのだ。
UFOを探していたという既成事実を作り、今後も後輩を誘い易い状況を作る。
それを利用して良からぬことを考えているらしいが、それを知るまでにかなりの時間を要するのであった。