時をかける346(その3)

だらだらと歩きながら後輩の家に着いた一行。

「あがってください」
「遠慮なく。って、デカッ!」
「コ、コレが噂のAQUOS37V(購入価格210,000)!」
「あれ?先輩方、
「あぁ、そうさ。ブラウン管29インチ(購入価格39,000)だよ。だいたい液晶なんて反応速度遅いし寿命も短いし。ぜ、全然悔しくなんかないんだからね!ほら、346も何か言ってやれ」
「オレも液晶だぜ?」
「え?」
「しかもP-M、まだアナログ放送見てんの?時代遅れだな」
「その言い方はまさか、346も液晶テレビを買ったのか?」
「ほら、P-Mサン。346サンですら液晶テレビ持っているんですよ」
正直言って悔しい…
「ちなみに346サンはどこのメーカーですか?」
「三洋。今日持ってきたから見せてやるよ」
「持ってきたってテレビらしきものは担いでいなかったじゃん」
「担ぐ?まったくこれだから原始人は。ほらよ、じっくりみやがれ」

「携帯電話…。なんだよワンセグかよ…」
「まぁ確かに液晶でデジタル放送ですから。ウソは言っていませんね」

初出:2007年5月17日 峠の茶屋「時をかける346その3」