激闘記録 第九章第3話「因縁の対決2009」

寒い冬の終わりとともに咲きほこった桜も散り、梅雨入りを感じさせる曇天。
程なく降ってきた雨の音が静かな部屋に響く五茂野サーキットで、2ヶ月半ぶりに集結したP-Mは、ある恐ろしい計画を耳にすることになる。

P-Mマ…マジか!?
カトリ「あぁ。不覚にもその場の勢いで決めてしまった」


遡るは2009年3月。
「計画」は秘密裏に進んでいた。

????「もしもし、オレだ」
カトリ「"A"か?」
????「"p"だ」
カトリ「こんな時間に何の用事だ」
????「感づいているだろう?あの時のリベンジマッチといこうじゃないか」
カトリ「再戦か…望むところだ」
????「そうこなくては」
カトリ「まぁ、今回も不戦勝だろうな。モーターにまでグリスを塗って、こともあろうかあのあさがやに教えを請うようなヤツに負けるわけなかろう」
????「ほざけ。早速本題だが、レギュレーションはどうする?」
カトリ「あまり複雑なのはお前のセコンドが覚えられないだろう」
????「セコンド?あぁ、BOSSか」
カトリ「サクっと考えてみたが、こんな感じでいいんじゃねぇの」

・予算3,000円以内(マシン込み)
・その場で購入、その場で組み立て(工具は持参)
・制限時間1時間の間に購入・組み立て・セッティング
・その他諸々はタミヤレギュ準拠

????「いいだろう。オレが勝ったらハンドルネームをカツ丼に改名しろ」
カトリ「何言ってんだと思った。じゃあこちらが勝ったらメイド服着て雀荘…」
????「それもお前がやれ。忙しいから切るぞ。じゃあな」

ガチャッ

カトリ「自分からかけておいて忙しいからって何だよ。しかも勝っても負けても罰ゲームじゃないか!」



P-M「…で、カツ丼さんはメイド服着て雀荘でバイトすることになったと」
カツ丼「そうなんだよ。いや、違うよ。全然違うよ」

あさがや「遅刻はしても早退はNon!Non!Non!♪」
P-M「ん?この声は」

ガラッ

あさがや「話は聞かせてもらった」
P-M「あれ?今日、あさがやも来るんだっけ」
あさがや「来るよ!激闘メンバーなんだから!!」
P-M「ああそっか」
あさがや「ああそっかで話聞いてないのね」
カトリ「来てもいいけど遅刻ね」
あさがや「遅刻して何が悪い!って、今日は遅刻してないよ!もう来てるよ」
カトリ「じゃあ帰れよ」
あさがや「帰らないよ。扱い悪いな」
P-M「漫才はそこまでにして本題に戻ろうか」
あさがやカトリ漫才!?



あさがや「…そうか。カツ丼がメイド服着て雀荘でバイトすることになったというわけね」
カトリ「違うと言っているだろう」
P-M「まぁ、まとめるとカトリと例の人がミニ四駆レースの再戦をするというわけね。金額縛りのレースか。なかなかおもしろそうだ」
あさがやタミヤフェア2009で賊買いした輩がよく言うよ」
カトリ「しかも同じモノをAmazonで買っていたのを忘れているし」


あの後にAmazonから届いたモノたち

P-M「う、うるさいわね!さっさと進めなさいよ。金額だけじゃなくて時間制限もあるんでしょう」
カトリ「あぁ。1時間で購入&組み立てだ。スリルあるでしょう?」
P-M「マシン込みということは、最近のミニ四駆PROを選ぶとパーツに回せるのは税抜きで2100円か。過去のミニ四駆ならその分パーツに回せる。この選択は難しい…」
カトリ「バッテリーも入れると1800円くらい。となると、買うパーツは自ずと決まってくる。モーターははずせないし、FRPも重要だろう。上級グリス?イラネ」
あさがや「クックック…」
カトリ「何がおかしい!?」
あさがや「今年になってやっとPROの公式レースデビューした素人はこれだから…」
カトリ「爆死しかしてないくせにえらそうに。じゃあ、あさがやの案を言ってみろや」
あさがや「耳の穴かっぽじってよく聞いておけ」

あさがや案
購入するもの 価格
HGハードフロントワイドステー N-03ユニット用 1260円
HGハードリヤワイドステー 1260円
軽量センターシャーシ スモーク 378円
合計 2898円
※2009年4月時点。価格は非公式情報。

あさがや「<( ̄^ ̄)>」
P-M「ツッコミどころが多すぎてめまいがしてきた…」
カトリ「しかもそのえっへんみたいな顔文字は何だよ」
あさがや「キミにはアバンテMk.IIをオススメするよ」


アバンテMk.II(756円)


越前(プライスレス)

P-Mどさくさに紛れて愛車を宣伝するな
カトリ「アバンテMk.II、案リストに入ってないじゃん。そもそも、リストにマシンはおろかシャーシも真ん中しかないし」
あさがや「じゃあコレは?」


アサガヤバルタン 貝(ルーズレス)

P-M
カトリ「もはやミニ四駆じゃないし!」
あさがや「でもミニ四駆ジュニアサーキットも走れますよ」
P-M「聞いてません。帰って下さい」
カトリ「まぁ、あさがやのアイディアなんて興味ないね。だいたいのアイディアは浮かんでいるし」
あさがや「仕方ない。聞いてあげるから言ってごらん」
カトリ「まずは案1。ミニ四駆シリーズでパーツ資金の幅を持たせつつスプリントダッシュ、それとFRPプレート系を少々なんて軽々しく言えるわけないだろう」
P-M「言っちゃったね…」
カトリ「うん…」
あさがや「MSシャーシEvo.Iを選んでくるとは、なかなかやるな」


MSシャーシEvo.I(5250円)

カトリ言ってねぇよ!そりゃあ悩んださ。でも残念ながら予算オーバーだった」
P-M「それよりももっと根本的なところがズレている…」




P-M「セッティングは当日決めてもらうとして、その対決はいつやるの?」
カトリ「あさがやがプロポとバッテリーを用意したらやる」
あさがや「関係ないでしょ!」
カトリ「忙しいからね。まぁそのうちやるよ」
P-M「こんな調子で本当にやるのかなぁ」
カトリ「細けぇことはいいんだよ!」
P-M「まぁ、あまり期待しないでおくよ。結果は教えてね」
カトリ「そんな冷たいことを言わないで、そのときの立ち会いを…」
P-M「ごめん、その日は体調が悪いからムリ。あさがや頼むわ」
あさがや「プロポとバッテリーがないからダメだね」
カトリ「まだ何も言っていないだろう!!」