激闘記録 第九章第5話「山を越え谷を越え」

あさがや遅刻した!!
P-M「あぁ、そうなんだ」
あさがや「えっ?"また遅刻かよ!"とか"言い訳を聞こうか"とかはないの?」
カトリ「時間通りに来るなんて誰も思っていないからどうでもいいよ」
P-M「毎度毎度この展開もどうかと思うのでね」
あさがや「それはそれで寂しいんだけど、怒っていないの?」
P-M「もちろんさ。今日もギリギリまでセッティングしていたんでしょ。今日のレースで勝ってくれると信じているよ」
カトリ「予選突破は確実に遂行してくれるんだよね。あ、負けたら寿司おごれよ」
あさがや「うぅ…やっぱり怒っている」
●浅草ROX



P-M「コースは…あら、コンパクトですね」
カトリ「ストレートよりもコーナーが多め。デジタルカーブあり、レーンチェンジはノーマルタイプときたか」
あさがや「今日はコースアウトする危険はない!これなら完走出来そうだね」
カトリ「油断するのは早い!アレを見ろ!!」





!?

あさがや上から来るぞ、気をつけろ!!
P-M「まさかこのタイミングで茶屋から引っ張ってくるとは」
あさがや「Piston!Piston!」
カトリ「現実から目を背けるな!あれだ、あれを見ろ」



P-M「テーブルトップにドラゴンバック…。まさかの二話連続登場
あさがや「今日はコースアウトして終わりだ!これでは勝てそうもない」
カトリ「さぁ販売コーナーへ向かおう」
P-M「キミたちあきらめるの早いよ!」
カトリ「誰かがレポートで『いつかレースイベントで出て来るという前ぶれなのだろうか…』とか書いたせいだ」
あさがや「余計なことを書きやがって!あやまれ!!」
P-M「もういい。あなたたちは早く森にお帰り…」
カトリ「イヤだね!今日は夕方まで居座ってやる
P-M「生意気にも勝つ気でいるんだ」
カトリ「あぁ、あさがやなら販売コーナーの列に並んでいるぞ」
P-M「『まったく。口だけで勝てるならあさがやでも勝てるよな…って、いないし!また迷子かよ』というセリフを述べる前に先回りして返答するな」



●販売コーナー



P-M「…」
カトリ「どうしたの?パッケージずっと見つめてる」
P-M「いや、去年のオータムGPを思い出して」
カトリ「入手できるチャンスが回ってくるとはな」
P-M「あぁ、感慨深いなぁ。この燃えるような赤が素晴らしい。ついに手中に収めるときが来たか」

カトリ「…で、」




カトリ何でブルーメッキの方を買ってんの!?
P-M「青い瞳に飲み込まれたのさ」
カトリ「全然格好良くないから!」
P-M「どうだいこの輝き。これがメッキボディだよ」
あさがや「やぁ、2人も販売コーナーに行ってきたんだ」
P-M「フフフ…。あさがやよ、羨ましいか?アズールのブルーメッキだぞ」
あさがやウボァー!被ったー!!
カトリ「まさかあさがやもブルーメッキ買ったの?」
P-M「何で買ったんだよ!!チクショー」
あさがや「何でって言われても。あえて言うならば、青い瞳に飲み込まれたのさ」
P-M「全然格好良くないから!あぁ、あさがやと被るならレッドメッキにしておけば良かった!」
あさがや「はっはっは。光栄と思って欲しいね」
P-M「だまらっしゃい。お得意のエアブラシで黄色く塗れ!今すぐ塗れ!!」



●セッティング

あさがや「越前が4ヶ月ぶりにバージョンアップだよー」


越前(亀井スペシャル)
前回との差分はフロントのFRPマルチワイドステーを上下に。
リヤローラーが9mmから13mm。リヤタイヤがオフセットトレッドタイヤ。
マスダンパーを前に2つ、後ろに1つ追加(計6個)。
読売カラーの軽量センターシャーシに変更。


P-M「コカコーラとペプシコーラくらいの違いだな」
カトリ「お前、まだ生きてたのかよ」
あさがや「ピンピンしているよ!」
P-M「そもそも、何で亀井なんだ?」
カトリ「センターシャーシが読売カラー。読売のセンター…亀井」
P-Mカトリ「はぁ〜…」
あさがや「そんな深いため息つかないで、さっさとカトリのマシンも見せろ!」



トルクルーザー
前回との差分はマスダンパーの追加、タイヤを小径からローハイトタイヤに変更。
リヤローラーを9mm、FRPの追加など。


あさがや「トルクルーザー?それはロデオソ…ぐはっ」
P-M「やめておけ。それ以上喋ると消されるぞ…」
あさがや「わ、わかったよ。とりあえずそのロデ…じゃない、トルクルーザーなんぞ粉砕してやるわ」
カトリ「お前オープンクラスだろう。ロ…トルクルーザーは小径クラスだ」
P-M「(いま間違えた!)」
あさがや「(ロって言った!)」

カトリ「さて、モーターはどうしようか。ハイパーダッシュにするか、アトミックにするか。あるいはトルクか」
P-M「あの山は危険だ。コースアウトするよりは安定性重視で確実に走るべき。トルクがいいぞ」
あさがや「周りを見ろ。みんなハイパーダッシュでブイブイ言わせているぞ」
カトリ「よし、アトミックチューンで行こう!」
P-Mあさがや「ウチら信用ないなー」



●レース
P-M、コースアウト!!
あさがや、コースアウト!!

あさがや「ぐわぁぁあああ!!」
カトリ「早ぇ!一行目で爆死かよ!!」
P-M「あさがやがタイヤを切りつけながら暗闇走り抜けていったな」
あさがや「項切り替わり直後で爆死という最短記録達成だ」
P-M「アマいな!"●レース"と"あさがや、コースアウト!!"の間の行を範囲選択してみろ」
あさがや「なん…だと…!?」
カトリ「爆死ならぬ即死か。やるな」
P-M「今日も残念だった。帰りは新橋にでも寄っていくか」
カトリ「待て!まだ一人残っているぞ」
あさがや「346か?」
カトリ「オレだよ!カトリだよ!」
あさがや「あぁ、がんばってくれたまえ。あと負けたらピザおごれ」
カトリ「あぁ、がんばるよ。自分のためだけに」


スタッフ「シグナルが青になったらスタートですよ。それでは…」

レディ…ゴー!!


※画像はイメージです。

P-M「さすがアトミック使い。スタート直後から遅れたな」
あさがや「でも一応、4位でテーブルトップに突入したぞ」
P-M「前の3台はハイパーダッシュのようだ。結構飛ばしているが、テーブルトップは大丈夫か?」
あさがや「!!」
スタッフ先頭を争っていた3台がコースアウトしてしまったぁー!!
P-M「カトリのロデ…トルクルーザーは余裕でクリアした!アトミックを選択したのは当たりか?」
あさがや「いつの間にか残り1台になっているし。あの走りなら大丈夫だろう」

カトリ、一次予選通過!!
※5台中4台コースアウト


カトリ「見たまえ、この赤く輝くたすきを!」
P-M「先を越されたのは悔しいが、まずはおめでとうと言っておく。周りがコースアウトとは運が良かったな」
カトリ「運も実力のうちだ」
あさがや「さすがにあれだけ遅ければ完走するよな」
カトリ「何とでも言え」
あさがや「しかし、さすがはワシの弟子だ。更なる勝利を願って御利益を授けよう」
カトリ「うわっ!マシンをこすりつけるな!!消毒してこよう

P-M「レッドメッキ、ロ…トルクルーザー、たすき。今日はやたら赤に縁があるな…」



●二次予選

P-M「さすがに二次予選になるとレベルが違うな」
カトリ「こりゃアトミックじゃ置いていかれるな。困った」
あさがや「こんなこともあろうかと持ってきたぞ、ノーマルモーター」
カトリ「こうなったら一か八か。ハイパーダッシュに換装だ」
P-M「大丈夫なのか。確かにアトミックではスピードで差をつけられるだろうが…」
カトリ「分の悪い賭けは嫌いじゃない」
P-M「そうか。では行って来い!」
あさがや「あの…ノーマルモーター…」



カトリ「3コース あさがやカラー アホになる」
P-M「車検場でなにやらブツブツつぶやいているぞ」
あさがや「祈っているのかな。まぁ、越前のご加護がついているから勝てるでしょ」
P-M「そうかなぁ…」

スタッフ「シグナルが青になったらスタートですぜ。それでは…」

レディ…ゴー!!



P-M「お!スタートダッシュはまずまず。トップでコーナーを駆け抜けていったぞ」
あさがや「さすがは我が弟子。褒めてつかわす」
P-M「あれを見ろ。カトリは余裕の表情だ」
あさがや「そしてテーブルトップに突入。必殺技が出るか?」
カトリこれが私の全力全開!スターライトブルぁ…か、噛んだ

カトリ、コースアウト!!


あさがや「あ〜死んだ〜♪(笑)」
P-M「スピードオーバーで見事に吹っ飛んでいったか。無茶しやがって…」
カトリ「エチゼン…ノロイ…ヤラレタ…」
P-M「顔面真っ青になっている…。ブルーメッキ、越前。今日は青にも縁があったな」