激闘記録 第七章第6話「急襲」

P-M「いやぁ、9月に入ってもまだまだ暑いねぇ…って、おぉ!なんだ来てたのか」
346「ちゃんとお邪魔しますって言いましたよ」
P-M「そっかー、それは済まなかった…って、オイ!」
346「それはいいとして、ダンガンのボディってミニ四駆に載らねぇの?」
P-M「前者は良くないよ。後者は乗らないよ。改造すれば載せられないこともないが」
346「逆は?」
P-M「それも改造すれば。あ、カトリが何か作っていたような」
346「あのカマドウマか…。ヤツに教えを請うのはあさがやの次にイヤだ」
P-M「あ、ウワサをすればワースト1・2がご登場だ」

カトリ「それがまたくさくってさ〜」
あさがや「ばれたかー…」
346「あさがやのマシンがか?」
あさがや「え…えーと、どちら様だったっけ?」
346「おま…この前、自己紹介しただろっ!?」
あさがや「いやー、キャラはすぐ覚えられるんだけどヒトは覚えらんなくてね〜」
P-M「こーゆーヤツよ」
あさがや「あ、思い出した。タンクローだ、タンクロー!」
カトリ「違うだろ!いい加減に覚えてやれよ。輪子さんだって」
346サンシロウ様だ、豚が!

P-M「まぁ、どうでもいいや。346は何しに来たの?」
346「あさがやとの勝負がまだ終わっていないからな。今日こそ決着をつけてやろうと」
カトリ「オマエな、空気読めよ。この章は外に出るのが目的なんだから」
346「じゃあカトリだけ出てろよ」
カトリ「何で!?」

あさがや「346如きが我に勝負を挑むとはいい度胸だ。返り討ちにしてくれるわ」
カトリ「何そのでかい態度。一時と比べるとスゴイ違いだな」
あさがや「あァ、まだいたの?さっさと退場しろや」
カトリ「何そのでかい態度…」





346本日、天気晴朗なれども波高し。皇国の興廃、この一戦にあり!!
P-M「確かに天気晴朗だが、波は高くないぞ。ここ陸地だし」
346「細かいことはいいから、さっさとレースの準備をしてくれたまえ!」
P-M「あーはいはい、Aye, aye, Ma'am.」

●出場マシン


346マシン バブルスライム


あさがやマシン アサガヤバルタン壊

あさがや壊じゃない!改!!何で走る前から壊れるの暗示してんですか!」
P-M「やっちまったぜ」
あさがや「ありえないんだぜ!」
346「痛車か。で、カトリ三等兵、勝者への賞品は何かね?」
あさがや「痛車…」
カトリ「三等兵…」
P-M「賞品なんて出すの!?さすがカトリ、ブルジョアだ」
カトリ「フン、どうせ三等兵ですから出せませんよーだ」
P-M「やっぱりカトリ、ブルガリアだ」
カトリ「指輪…あ、いや、なんでもない。独り言だ

P-M「ボディは同じジェットバルカンかだが、ぱっと見た感じではスピードではあさがや、カウンターでは346有利か」
カトリ「モーターも346はパワーダッシュ、あさがやはスプリントダッシュと対照的だ」
346「仕方ねえだろうが。両軸のヤツしか売ってねえんだもん」
カトリ「探し方が悪いんだろう。ウチの倉庫には…おっと、これ以上は言えないな」
346「誰も聞いてねぇし…」


あさがや「で、ルールは?」
P-M「まぁ、オーソドックスに」

ルール
・コースはダンガンサーキットの8の字を使用。
・コース上の離れた位置から2台同時にスタート。
・先に相手を2回追い抜くかはじき飛ばせば勝ち。
・その他の基本的なルールはダンガンのレギュレーション準拠。

カトリ「何の変哲もないレースだな」
P-M「だが、その分、実力で決着がつくだろう」
あさがや「久しぶりのダンガン対決だが、346には絶対負けない」
346「プッ。早くも負け惜しみか?」
あさがや「いやいや、何もおかしいことはいっていないだろう」



P-M「では、そろそろ両者位置について」

レディ、ゴー!!

スタートはパワーダッシュを積んだ346のマシンが先行した。
だが、スプリントダッシュにスーパーハイトのあさがやがその遅れを取り戻す。
13mmやHGボールベアリングなど、346と比べてリッチな装備も、そのレース展開に貢献しているようだ。

カトリ「さすがに両者、お笑いマシンに君臨しているだけあって、安定した走りだな」
P-M「お笑いは関係ないと思うが、面白いレースになりそうだというのは確かだ」

あさがやが346に追いつくも、リヤタイヤに弾かれてなかなか追い抜けない。
346のセッティングが効果を発揮しているということか。
攻めあぐねるあさがやだったが、割と冷静な顔をしている。
346は防戦一方な展開からか、眉間にしわを寄せている。

P-M「あのあさがやの顔…。何か秘策でも?」
カトリ「ダンガンは一度走らせたら、運命はマシンにゆだねるしかない。レーサーは何も出来ないだろう」
P-M「いや、まぁ、そうなのだが。夢のないツッコミをされても…」

パッシングを仕掛けては弾かれる。
それを何度か繰り返すうちにあさがやのマシンが大きくふらつくようになってきた。

P-M「コースアウトは近いか!?」
346「ザコが。相手にならねぇな」
あさがや「それはどうかな。よくマシンを見てみな」
346「何だよ!?うわっ!」

その瞬間、緑色の物体が空の彼方に消えていった!

P-M「あぁ!346のマシンが!」
346うぉわーっ!すごいとんでる!!
P-M「重力を無視したかのようなあの吹っ飛び方!」
カトリあさがやマシンが横に入り込んだ状態でコースアウト。タイヤの太さがあだとなったか」
あさがや「これ、属性情報をブースト変換。ホーミングモード…」
P-M「う〜む…。やはりあさがやは宇宙人だったか…」



カトリ「あれ、あさがや、手に持っているのは?」



あさがやレバ剣拾った
346「ウボァー!オレ様の波動砲じゃねぇか!!」
P-M「え…あれ、波動砲だったの…?」
カトリ「見事にちぎれているな。そんなのでイスカンダルへ行くつもりだったのかよ」

346「うっせーな。無駄口叩いてねぇで、オレ様のマシンをさっさと探せよ」
カトリ「いいかよく聞け。346のマシンはお星様に…」
346「なってねぇよ。お〜い、あさがや、そっちに行ってねぇか?」
あさがや「…許可」
P-M「よし、やっちまえ」
346「?」

カシャ♪



346記念撮影すんな!!
P-M「あはは、ちゃんと患部を指さしているし」
346「笑ってねぇで止めろよ!」

346「ったく、自慢の波動砲ことスライダンパーが!!」
P-M「スライダンパー、ね」
カトリ「スライダンパー、だな」
あさがや「スライダンパー、だよ」
346「3人で同じツッコミすんな!あ、よく聞いたら一人間違ってる!しかもその間違いはわざとだ。むかつくな!!」



あさがや「完全なる勝利だな」
346「さ、三回勝負、三回勝負っ!」
P-M「あんたはコドモか…」
あさがや「さ、カトリくん、さっそく調印書を作ってちょうだい」
カトリ「かしこまりました、閣下」
346「調印書?冗談じゃない、今日のところはこれで許してやるぜ。あばよー!」
P-M「敗残兵が逃げたぞー!!」


こうして、久しぶりのダンガン同士の直接対決はあさがやが珍しく圧勝した。
あさがやは勝利宣言として、高らかにこう叫んだ。

あえて言おう、カスであると。