激闘記録 第八章第9話(上)「ミニヨンダイバー」

カトリあさがやが高らかに優勝宣言をしてから、約10ヶ月か」
P-M「思えば色々なことがあったなぁ…。レース1週間前まで超ドノーマル状態だったのがそれなりにマトモになったり(結果:爆死)家に着いたらハードスリックタイヤが割れていたり大径カーボンホイールが売り切れていたり再びROXのレースに参加したり(結果:爆死)
カトリ「まぁ、実際のところ大したことは何もなかったな…」
P-M「そうだなぁ…」
カトリ「…」
P-M「…」
あさがや「お〜い。初っ端からこの鬱展開はなんなのさ」
P-M「あさがやか。346とチェンジして激闘からドロップアウトしたんじゃなかったの?」
あさがや「この間はたまたま忙しかっただけで、別に退場していないってばよ」
P-M「そうか。じゃあ次回のROXもがんばってくれ。以上」
あさがや「つ、冷たい…。だって勝てないものは仕方ないじゃん」
P-M「だがな、勝とうとする努力は必要だ。ほら、カトリを見てみろ」

カトリ「そんなことより聞いてくれよ。この間、浅草で買った強化VSを使ったマシンを作ろうと思って、大量にパーツを買ったんです。パーツ。そしたらなんか購入したパーツが使えないんです。
・620ベアリング(AOパーツ)×2
・Xシャーシ用ゴールドターミナル×2
・Xシャーシ用フロントFRP
・Xシャーシ用リヤFRP
・Xシャーシ用超速ギヤ(AOパーツ)
・Xシャーシ用軽量プロペラシャフト
・ピンククラウンギヤ×3
・スプリントダッシュモーター

はい、ここで問題です。
上記購入リストのうち、間違って購入したパーツはどれでしょう?
モブA誰あの人?(ひそひそ)
モブBこっちの方を見ているみたいですが、気のせいですよね(ひそひそ)
P-M全て。毎回毎回必要以上にパーツを買うな」
カトリ「オレの生き様を奪うな」
モブA今のうちに逃げよう(ひそ)
モブBそうですね
カトリ「あ、君たち!ヒントは"目的を見ろ"。わかるかな?」
モブBしかし まわりこまれてしまった!
モブAもう次からニホンゴワカリマセンでごまかそう
カトリ「時間切れ!正解はXシャーシ用軽量プロペラシャフトでした。
だってコレ、VSには長すぎるじゃん。完全に忘れてたよ。スーパー1用買わなきゃいけなかったのね。
しようがないからノーマルのプロペラシャフトで我慢。

あ、そうそう。サンダーショットMk.II 桃井はるこSpecialも買ったぜ。


サンダーショットMk.II 桃井はるこSpecial

まだ組み立てていないが、強化シャーシだし、クリアピンクのボディもセンスよし。
あぁ、そういやモモーイの作品とあまり縁がないなぁ。アニス役で出てたアビスくらいか?アニメ化もすることだし、どんな感じになったか見てみるか。ちゃん とトクナガに…(中略)…というわけで、PSPのMAPLUSポータブルナビは釘宮病患者としては感無量なわけですよ。あなたとは違うんです」
P-M「一人で何バイトしゃべり続けているんだよ。もう誰もいないぞ」
カトリ「あ、あれ?」
あさがや「何が努力だ。結局、いつものカトリじゃないか」
P-M「そんなことはない。カトリもROXのレースに出るのだから。並々ならぬ気迫が伝わってくるだろう?」

カトリ…え”?

あさがや「明らかに初耳という顔をしていますケド…」
P-M「何のために第1話から前フリをしてきたと思っている。心の準備はOKでしょ」
カトリ「…」
あさがや「固まっている!」
P-M「アレは精神統一しレースに臨む練習だ。誰かのようにスタートで失敗しないようにな」
カトリ「…」
あさがや「レーサーズボックスを片づけはじめた!」
P-M「周りは皆、敵だからな。手の内を見せたくないのだろう」
カトリ「…」
あさがや「すごい険しい顔をしてどこかへ向かったぞ!」
P-M「相手を喰らわんとするあの表情。やっぱりカトリはモンスターレーサーだな」

P-M「あ、見失ってはいかん。追うぞ!」



あさがやWC…?」
P-M「1989年に発売された双葉文庫の冒険ゲームブックシリーズ【ミニ四駆チャレンジャー(熱走改造バルセロナ編)】に出てくるミニ四駆ワールドカップ(WorldCup)のことだろう。カトリはそれに出場するのか。スゴイことになってきたな…」
あさがや「なるほど。レーサーズボックスを持っていたのはそのためか」
P-M「!! 出てくるぞ。逃げろ」

ガチャ

カトリ「なんか気配がしたが気のせいか。まぁ、レース場にはいろいろの人がいるからな。面倒くさいが荷物が盗まれたりしないよう、トイレに行くときも常時持ち歩くように心がけよう。ところであの二人はどこへ行った?こんなことならレースイベントでの常識、ちゃんと待ち合わせ場所を決めておくべきだったな」



あさがや「はぁはぁ…。ここまで来れば大丈夫かな」
P-M「あぁ。で、カトリの気合いは伝わったか?」
あさがや「ダイブね」
P-M「そうか。カトリに負けないよう、次回のROXまでにセッティングをがんばってくれ。健闘を祈る」
あさがや「あぁ、シャーシが3分割してそれぞれスピード、パワー、テクニックで相手をかく乱出来るよう修行を積んでおく!」
P-M「いや、分解攻撃は公式レースでは失格だから」
あさがや「越前はナイスなコンバットさ。絶対に予選ヒートで2位以内には入ってやる!」
P-M「志し低いなぁ。確かに前々回、前回からじわじわと順位を上げてきているが」
あさがや「今回はパーツ、特にローラーを多めに用意していくし、準備万全で立ち向かうさ」
P-M「あれ、そのローラーちょっと見せて」



あさがや何もしていないのにローラーのフタがめくれている!?
P-M「不吉だな…。ナイスなコンバットよりもNice Boat.の方が似合いそうだ」
あさがや「ま、まぁ何とかなるさ」
P-M「そうだな…。じゃあ自分はそろそろ消えるわ」
あさがや「ROXで会おう!」
P-M「…」
あさがや「ん?どうした?」
P-M「…コースに潜れ」
あさがや「潜れ…?」