激闘記録 第十章第6話「ワルプルギスの昼」

P-M「集合時刻10分前到着」
カトリ「甘いな。オレは15分前には既に存在していた」
P-M「そしてこの始まり方ということは…」
カトリ「あぁ、もちろんさ」
P-M「仕方ない。いつものアレ、いっておくか」



P-M「送信完了っと」

????ガイアが俺にもっと輝けと囁いてる…

カトリ「なぁ、もしかしてアレって…」
P-M「微妙に似ているが、人違いでしょう。だってケータイのメールを確認していないじゃん」
????「ストリートという劇場に舞い降りた、一通の贈り物…」
カトリ「ケータイを見たぞ。やっぱりアレは…」
P-M「違う。幻覚だ」
カトリ「でも…」
????「α-ZERO管理人 あさがやからのメッセージをお読みください」
P-M「なんだ、あさがやか」
カトリ「よくわからないセリフなのに意外なほどあっさり認めた!」



あさがや「コレが今日のコースか」
カトリ「ストレートとコーナーの組み合わせがシンプルだが、その分実力差がはっきりと出るな。レーンチェンジがないから内側が非常に有利ということで、走らせる前から勝負が始まっているというよりも決まっているといっても過言ではないだろう」
P-Mイイネ!そこまで真剣に答えられるなんて尊敬するよ」
あさがや私もそう思う。だからコーヒー牛乳と焼きそばパン買ってこい」
カトリ私はそう思わない。ボケにつきあってやったんだからキサマが買ってこい」

P-M「さて、エントリーカードももらったし、どこかの一角で休もうか」
カトリ「そうだな」
P-M「…って、なんで一目散に販売コーナーへ!?」
あさがや「カトリにとってはそこが一番安らげる場所なんでしょう」
P-M「ちゃんとしたレーサーの皆様は、自由行動の前にちゃんと集合場所を決めておきましょうね」

カトリ「特筆すべきモノはなかったぜ」
あさがや「そんなパンパンな袋を持ってちゃ説得力ゼロだね。ちょっと確認してくる」
P-M「待て。あさがやが行っても、ミイラ取りがミイラになるだけだ。自分が行こう」

数分後



P-M「いやぁ、A4マルチバッグが売っていてさ。あと赤いメッキホイールもついつい買っちゃったよ〜」
あさがやミイラってレベルじゃねーぞ
カトリ「小径だけ?大径のホイールは買わなかったのか」
P-M「はっはっは。さすがに両方は買わないさ。あ、喉が乾いたからジュースでも買ってくるか」
カトリ「…」
あさがや「…行ったな」
カトリ「…あぁ」





あさがや「ドヤッ」
P-M小汚いタイヤだな、としか…」
あさがや「唯一の感想がそれかよ」
カトリ前とセッティングが変わっていないじゃないか」
あさがや「全面刷新だろうが。テレビの映りが悪いんじゃないですか」
カトリ「いいからさっさとレースに行けよ、脇谷」
あさがや"わきや"じゃなくて"あさがや"だよ!



あさがや「人のことをバカにしやがって。今日こそ完全な勝利を魅せてやる」

スタッフ「シグナルが青になったらスタートです。それでは…」

レディ…ゴー!!



P-M「越前、一周目を終えてそこそこの位置につけた!」
カトリ「しかしドラゴンバックで若干バランスを崩したぞ」
あさがや「ただちにコースアウトするような影響ではない」
P-M「このまま耐えれば、あるいは…?」
カトリ「二週目のドラゴンバックもなんとかクリア」



あさがや、コースアウト!!

カトリ「できなかったー!」
あさがやこんなの絶対おかしいよ…
P-M「あさがやがやられたか。だがヤツは四天王の中で最弱…って、四天王といえば何かいたような
カトリ「気のせいだ。では、あさがやの仇は必ずうってやる」

カトリ、コースアウト!!

カトリあたしって、ほんとバカ…
P-M「カトリまで二週目のドラゴンバックの餌食に…」
あさがや「ヤバイヨーヤバイヨー」
P-M「この流れはもしかして」

P-M、コースアウト!!

P-Mわけがわからないよ…
カトリ「結局、3人とも同じ場所でコースアウトしたな♪」
P-M「嬉しそうに語るんじゃないよ。ドラゴンバックの直後は0.5本分のストレートしかなく、直後に90度コーナーがある鬼門だったし、今日のレースで最もコースアウトしたマシンが多い場所だったろう」
あさがや「フッ…」
P-M「何でドヤ顔なんだよ」
カトリ「さっ」



P-M尺がないからって流れをムシしてマシンを出すな!