激闘記録 第八章第2話「待ち受ける恐怖」

P-M「集合5分前集合」
カトリ「またあさがやは遅刻か。恥ずかしいヤツだ。これからは恥酷と呼ぶことにしよう」
あさがや「いや、すでにいるんですけど…」
P-M「お…オマエは!え、えーっと…」
カトリ「なんだっけな。長曾我部(ちょうそかべ)か、惣福脇(そうふくわき)…いや仁磨楽(にしまぐら)だったかな?」
あさがや「そんな特徴的な名前だったら逆に覚えているだろう」
P-M「まぁいいや。いくぞ、346
あさがや違う!断じて違うッ!!
●浅草ROX



カトリ「ロングコースだな。攻めがいがある」
あさがや「いやぁ、今日のためにじっくりとセッティングをしてきたかいがあった」
P-Mえ?出るの!?
あさがや前回、出るって言っていたじゃん」
P-M「おかしいな。今年中とか何とか言っていたような気が…」
カトリ「二週間前まで超ドノーマル状態だったのに、ホントに出来ているのかよ」
あさがや「フフフ。見て驚くなよ。それでも完走することだけを目指したマシン!その名も越前!!




(画像提供:あさがや氏)

カトリじゃん」
あさがや「あぁ、すまん。こっちだ」



※写真はレース後に撮影したものですが、話の都合上ここで。

P-M「な…!?ちゃんと出来ている!!
あさがや「もの凄い進歩だろう。人類が月面に到着したのと同じか、それ以上」
カトリ「寝言は寝て言え。そもそも、越前って何だ」
あさがや「越前は焼きビーフンが好物なナイスコンバットさ」
P-M「うぅむ…セッティングはフツーだなぁ。ローラーが横幅いっぱいいっぱいのようだが大丈夫か?」
あさがや「オレを甘く見るなよ。ギリギリ収まっている!(本当は入りきらなかったから車検直前になおしたんだけどね)」
P-M「それならいいが…。あ、バッテリーは大丈夫か?ビスはもちろん、ホイール、タイヤのゆるみはないか?
あさがや「あぁ。素人じゃないんだから」
カトリ「ハンカチとチリガミは持った?知らない人にはついていっちゃいけませんよ」
あさがや「あぁ。登校前の子供じゃないんだから」

P-M「まぁがんばれよ。草葉の陰から応援している」
あさがや「もっと表に出て応援してくれ」
カトリ「じゃあオレは販売コーナーに行っているから、後は適当にやれや」
あさがや「オマエはもう帰れ」

P-M「お、そうこうしているうちにエキスパートクラス予選の車検受付が始まったぞ」
あさがやオレのオーラ力(ちから)を見せてやる!!




あさがや「ハイパー化…だ」
カトリ「あっそ」
P-M「とっとと並べ。バカやろう」
あさがや「オレ、このレースで勝ったら牛丼にギョク(玉子)をつけるんだ…」
カトリ「何かフラグみたいのが立ったみたいだが気にしないでおくか」



P-M「今日のレースを見ていると、結構コースアウトしているのが目立つな」
カトリテーブルトップのところで特にな」
P-M「案外、あさがやの"完走することだけを目指す"というのはハマるかもしれないな」
カトリ「他のマシンがコースアウトするのを期待するなんて、後ろ向きな作戦だが…」
P-M「そうこうしているうちにあさがやの出番だ」
カトリ「こっちまで緊張してきた」

スタッフ「シグナルが青になったらスタートです。それでは…」

レディ…ゴー!!


※写真はイメージです

P-M「スタートしたぞ!!」
カトリ「4台が一直線に前に出た!…って、アレ?4台?
P-M「も、もしかして…あのスタートで動かなくなっているマシン…って」
カトリ「3コース…あさがやだ…やりやがった」
P-M「ギヤでも動かなくなったか?それともモーター?」
カトリ「あ、走った。既に他のマシンは半周以上先にいるが…」
P-M「あきらめたらそこで試合終了ですよ」
カトリ「そうだな…って、あさがや本人の顔が硬直しているというか青ざめているが」
P-M「ちびまるこちゃんの血の気が引いたあの顔しているな」
カトリ「レースも終盤だが、他のマシンもコースアウトする気配ないな…」


あさがや、4位でゴールイン!!
(5人中。ちなみに1台はコースアウト)

P-M「いやぁ、あさがやさん。残念でしたね」
カトリ「気を落とすなよ。オレがタックルしてやるから」(ガシッ)
あさがや「ふじさんろくにおうむなく…」
P-M「予選とはいえ、相手のレベルが高かったから仕方ないさ」
あさがや「このでんわばんごうはただいまつかわれておりません…」
カトリ「放心状態ってヤツか」

あさがや「うぅ、なぜ負けたんだ。怒らないから正直に言ってくれ」
P-M「えーっと…単純に遅いです
あさがやうるせーよ!!
カトリ「怒っとるやん」
P-M「ところで、どうしてスタートしていきなり爆死したんだ?」
あさがや「爆死って言うな!実はだな、マシンのリヤパーツがコースに引っかかってスタートが遅れてしまったんだ」
カトリ「緊張で手元が見えなかったのか。やはりスタート時には落ち着くことが大事だな」
あさがや「急にボールが来たので…」
P-M「ま、まぁ、完走出来たんだし、落ち込むことはない」
あさがや「え?あぁ、そうだよね。完走を目指したマシンなんだから目的は達成だ!ナゾ解明!!」
P-M「この悔しさは次のレースへの糧ということで」
あさがや「あったりまえよ!ここで素直に引き下がるあさがや様じゃないっつーの!!」
P-M「ですよねー。さすがあさがやさん」
カトリ「すっかり乗せられているな。っていうかこのチャレンジ…

続く…のか?