激闘記録 第九章第4話(下)「あさがやラプソディ」

●タミヤ本社



P-M「続いて我々は『タミヤオープンハウス』へ突入した。このイベントはタミヤ本社を一般開放するもので、社内各部署の様子や展示、販売が行われる。ミニ四駆やRCの体験も可能で、今回はミニ四駆トライアルというレースイベントも開催されるのである」
あさがや「変な方向を向いてしゃべっていないで、バイクでも乗ろうぜ」
P-M「一応、状況説明をしておかないといかんのでね」
あさがや「そんなのカトリにやらせればいいよ」
P-M「それが、何故か痺れて動けないらしいのよ」
あさがや「へぇ。どうせ次の話では治っていると思ったのに」
カトリ「オレはマンガやアニメのキャラか!」
あさがや「治ってるじゃん」

P-M「さぁ、館内に入るぞ」
あさがや「待て。鯉だ!鯉がいるぞ!!」
P-M「残念だったな。それは既に通った道だ」
カトリ「だが、ちょっと待ってほしい。今年だからこそ意味があるのでは。読売ジャイアンツスペシャル阪神タイガーススペシャルが発売される2009年。これは広島東洋カープスペシャルが発売される暗示ではないか」
P-M「いや、ない」



P-M「お、エントランスに1/1 ガンブラスターXTOがある。以前訪れたときは外にあったが、ココが定位置なのか」
カトリ「あっちにはロータス102Bがあるぞ。91年にあのミカ・ハッキネンを乗せて走ったらしい。当時はロータスのスポンサーとして出資していたのでフロントウイングにTAMIYAの文字がある。このマシン、現在はタミヤが保有しているのだ。まいったかー」
P-M「まいった。まいったから射出成形の実演を見ようか」
カトリ「あぁ、あのバイクのヤツね。どこにあるんだ?」
P-M「目印はあの黄色いナマモノ」
あさがや「ニヤッ☆」
カトリ「もう並んでいるし…。どんだけバイク好きなんだよ」

P-M「さて、後は順番に見ていきますか」
あさがや「!」
カトリ「あさがやがどこかへ歩き出したぞ!?」
P-M「放っておくとまた迷子になるパターンか。仕方ない、後を追うか」
カトリ「合点だ。遅刻に加えて迷子属性までつけるのは納得いかないしな」
P-M「いや、そうじゃないが…」



●アウトレット販売コーナー



カトリ「あさがやめ。ダンガン&楽しいトレインの前で立ちつくしていやがる」
P-M「あの異様なオーラは!?」
カトリ「オレに対抗心を燃やして5000円分買おうとしているのか?」
あさがや「ねぇよ。ツインメッセでも言ったけど、販売だけのイベントじゃないからそんなに買うモノもないさ」
P-M「ほう。では、そんなセリフを喋りながら次々とカゴに入れているダンガンレーサーEVOの山は何かね」
カトリ「ウイングバルカン、ファイヤーアトラス、マッドコブラ、スティンガージャック、サイクロンエッジ、ジェットバルカン。ギガスピアー以外全て入っている」
あさがや「半額で買えるし、パーツ取りにちょっと確保しておこうと思って」
P-M「その量をちょっとで済ますか」
カトリ「レジに向かおうとしているようだが、それを持って社内を回るのか?」
あさがや「当然。もしかして悔しいのか?」
P-M「いやいや、カトリが言っているのはそういうことではないだろう」
カトリ「悔しいです!!」
P-M「その通りだったのか…」



●屋上



P-M「屋上でミニ四駆を走らせることにした。さて、マシンは持ってきたか?」
カトリ「今日は5台しか持ってきていない」
P-M「十分過ぎる。で、あさがやもちゃんと持ってきたか?」
あさがや「問題ない。いつも持ち歩いている」
P-M「いつも?」
あさがや「テレビを見ているときも、風呂に入るときも、寝るときも、いつも一緒だ。ボールは友達!」
P-M「そ、そうか…。で、マシンはいつも通り越前か?」
あさがや「おうよ」



P-Mこ、これは…!?
カトリ前回のバージョンよりも大幅に進化…いや、変化している!オフロードに特化したピンスパイクタイヤ、バンパーはコーナーに接触しないのを考慮して短く、そしてサスペンションまで装備しているとは」
P-M「ラーメンとカレーくらいの違いだな。というか、まったく別物だな」
あさがや「さっき展示してあったのを撮ってきた」
P-M「"盗ってきた"じゃなくて安心したが、罰として次回までに越前のウイングにNEETと書いてくるように」
あさがや「書いてきたら負けかなと思ってる」

P-M「さて、あほがやは放っておいて、ちょっくら走らせてみようかね…って、あ!?」



P-Mテーブルトップの上に何かついている!!
カトリ「あー、誰かがファイナルラップで爆死したアレがついているねー」
P-M「うっさいわ。あの後、色々とセッティングを変更したから余裕だね。ほら」
カトリ「お、いい感じで安定している!」
P-M「でしょ。もうテーブルトップは怖くない」
カトリ「そりゃすごい自信だ」
P-M「後はどれだけスピードを上げられるか」
カトリ「ミニ四駆の基本だな」
P-M「次のレースはこのセッティングをベースに…って、自分のマシンが帰ってこないな」
カトリ「コースアウトして壁にめり込んでいるよ」
P-M言えよ!!
カトリ「テーブルトップの直後でバランス崩してコースアウトしていたよ」
P-M言えよ!!
カトリ「しかもまた5周目で」
P-M言うなよ!!



●帰路

P-M「朝から何も食べていないからお腹すいたな。そろそろ撤収しようか」
カトリ「まぁ、例によってあさがやがいないわけだが」
P-M「また迷子かよ。遅刻と言い迷子と言い、こういう後は大抵ろくなことがないんだ」

あさがややっほーい。めんごめんご!遅れてごめんねっ☆
P-M「どっから持ってきたんだ?そんなもんと挨拶」
あさがや「学校の裏の林」
P-M「はぁ〜。姿が見えないと思ったら、もう一袋、しかもLサイズのを手に提げてきやがって」
カトリ「今度は何だ。戦国武将か?姫路城か?」
あさがや「ううん。エアブラシ♪」
P-M「エアブラシ?」



P-Mカトリ
P-Mアイツやりやがったぞ。しかも、エアブラシだけじゃなくてミニ四駆のパーツも増えてる(ひそひそ)
カトリこりゃ、三ヶ月カレー生活だな(ひそひそ)
P-M「あ、あさがや。今日だけでいくら使った?」
あさがやホビーショーで1000円、タミヤ本社でダンガン、ミニ四駆パーツ、エアブラシで13000円。後は焼き鳥も食べたから、全部あわせて15000円くらいかな」
カトリ「ウチらが腹を減らしているのに、一人で何食べているんだ!
P-M「ツッコミどころが若干ずれているが、それは買いすぎだ」
あさがやキミたちにだけは言われたくないわ

????バカなこと言っているんじゃありません!
あさがや「!?」



あさがや「た、タミヤおばさん!?
タミヤおばさん「あんたねぇ。少しは考えてお金を使いなさいよ」
あさがや「でもP-Mとカトリだってタミヤフェア2009とかで大量に…」
タミヤおばさん「だってじゃありません!よそはよそ、ウチはウチ!」
あさがや「ボク、おばさんの子供じゃないんですが」
タミヤおばさん「だいたい、いくら買っただの賊がどうのとか前回と同じパターンじゃないの」
あさがや「それはカトリが…」
タミヤおばさん「言い訳ばっかりするんじゃないの!」
あさがや「ごめんなさい…」
タミヤおばさん「ほら、無駄遣いしないようにお年玉はお母さんが預かっておいてあげるから出しなさい」
あさがや「え?でも」
タミヤおばさん「いい加減、目覚めなさい…」

P-M「…目覚めろ〜あさがや〜起きろ〜」
あさがや「…ん、あぁ。夢か」
カトリ「人が運転しているのをいいことに、ずっと寝やがって」
P-M「それだけ安心しているってことでしょう。あぁ、ちなみに、『バカなこと言ってるんじゃありません』から『いい加減、目覚めなさい』までが夢だな」
あさがや「な、何で人の夢の中を!?