激闘記録 第十章第3話「青いゲージ」

あさがや「キテる。今日は勝てる」
P-M「のっけから何を宣言しているん だ」
カトリ「どうせいつも通り爆死してフヒヒってオチだろう。わかって んだよ」
あさがや「ラッキーカラーは黄色。 ラッキーナンバーは3」
P-M「あらぬ方向を見ていないで、さっさと降りるぞ」



カトリ「品川シーサイドは久しぶりだな。激闘ではこの時以来か」
P-M「あれはヒドい戦いだったな」
カトリ「戦ってすらいないがな」
あさがや「お〜い、呆けていないで早 く販売コーナーに行こうぜ!」
P-Mカトリ「おい!!」



P-M「今日のコースはスロープ、芝、アイガー、ノーマルレーンチェンジ。最近の傾向どおりか」
カトリ「浅草や幕張に参加してきたレーサーにとってはおなじみだ な」
P-M「さて、じゃあ練習走行してくる かな…って、あさがやは?」
あさがや「さっきコースアウトしたけ ど」
P-M「そうなんだ…って、いつの間 に!?」
あさがや「気をつけるんだ。今日は5 レーンコースだぞ」
P-M「知っているよ」
あさがや「さらにスロープ、芝、アイ ガー、ノーマルレーンチェンジが」
P-M「見りゃわかるよ」
あさがや「さっきから人のアドバイス を無下にしやがって!」
P-M「あぁ、もう!参考になったわー ありがたいわー」
カトリ「…さっさと走らせてきたら?」



P-M「さて、練習走行も終わったことだし、販売コーナーに行く か」
カトリ「オレたちは待機しているよ」
あさがや「行ってらっしゃーい」
P-M「おぉ、珍しいな。じゃあちょっ くら行ってくる」



P-M「セッティングゲージにメッキの クリヤーボディ、スーパーXXシャーシが先行販売されている!?
タミヤのサイトでは書かれていなかったのに。とりあえずセッティングゲージはゲットだ」
店員「はい、全部で××円になりま す」
P-M「(前に並んでいる人、あんなに たくさん買って。あ、XXEvo.Iだ。こりゃカトリの完敗だな)」
店員「次の方どうぞ」
P-M「は、はいっ」


P-M「はは。さっきの人と比べるとか なり少ないけど、結構なお金を使っちゃったな」
カトリ「よう、遅かったな」
P-M「すまんね。あれ?あさがやは」
あさがや「さっき販売コーナーから 戻ったけ ど」
P-M「そうなんだ…って、それ今日二 回目だよね。気に入っているの!?」
あさがや「若干ね。あぁ、そんな事よ りこれを見るがいい」



あさがや「ほらほら、セッティング ゲージを買ったんだ。1200円だぜ、1200円♪」
P-M「ほらよ」
ドサッ
カトリ「はいよ」
ドサドサッ



カトリ「セッティングゲージがなんだって?」
あさがや「み、みんなも買っていたの か…」
P-M「前から狙っていたんだ。買い逃 すわけが…あ?あれ!?何この青い箱
あさがや「買いやがったな!!」
カトリ「くくく…。侵略完了でゲソ」
P-M「まさか自分の前に並んでいたの は…」
カトリ「それは質量を伴った残像だ」
あさがや「残像が買い物するかよ。遊 びじゃないんだよ!」
P-M「見ろ!スーパーXXシャーシ Evo.Iだけじゃない!FRPプレートがあんなにたくさんッ!!」
あさがや「そんなに散財して大丈夫 か」
カトリ「大丈夫だ。問題ない」



P-M「レースの時間がやってきたよう だ」
あさがや「今日こそ一次予選を突破し てやるです」
P-M「まずは自分がタスキをゲットし てくるぜ」



P-M「惜しくも2位だった。1位のマ シンさえコースアウトしていればッ」
カトリ「そりゃあそうだろう」
P-M「さて、次はあさがやか」
カトリ「よく聞いてくれ…。これから他のマシンを1台残らず抜かす んだ」
あさがや「!!」
カトリ「…従ってくれるな?こうしなければあさがやに明日はな いッ!」
あさがや「…わかっています」
P-M「馬鹿なことはやめるんだッ!早 く並んできなさい」
あさがや「僕にその手を汚せというの か」


あさがや「今年もあと二回。悔いのな い一年にするためにも、今日こそは勝利を決めてやる」
カトリ「あさがやのヤツ、かなり気合が入っているな」
P-M「そう見えるか?あいつの行動を よく見てみろ」
あさがや「(チラッ)」
カトリ「?」
あさがや「(チラッチラッ)」
カトリ「なんか視線を気にしているようだ」
P-M「その先を見るんだ」



カトリ「あぁ…」
P-M「さぁ、あさがやが全世界に勝利 の雄叫びをあげるか、それとも…」



あさがや「よっしゃーっ!スタートは 完璧!」
カトリ「あさがやは黄色の3コース。順調な滑り出しだな」
P-M「黄色…3…。まさか、ね」



カトリ「ストレートを抜け、スロープに突入!」
P-M「既にこの時点で1位のマシンと は1レーンほど差がつけられたな」



カトリ「アイガーもクリア!今日はいけるか!?」
P-M「1位のマシンははるか先に行っ ているが、まだレースは序盤。わからんぞ!」
カトリ「でもいつの間にか4位になっているぞ」
P-M「まだだ。まだ終わらんよ」

3台のマシンが一気にコースアウトーっ!!

P-M「来たか!?」
カトリ「いや、コースアウトしたのは2位〜4位のマシンだ。という ことは」

あさがや、2位でゴールイン

あさがや「惜しかったなぁ。フヒヒ」
P-M「黄色とか3とか、冒頭の何かが 起こるようなフリはなんだったのか」
カトリ「まぁ一応、2位は2位…だが、なんだかなぁ」
あさがや「あなたには言われたくな い」

P-M「最後はカトリか」
カトリ「フッ。戦は策が大事だ。動かざること山の如し」
あさがや「そのわりには汗ダラダラ じゃん」
カトリ「まままままだ慌てるような時間じゃななない」
あさがや「メチャクチャ慌てとるわ」
P-M「マシンが動かないのだな?」
カトリ「ち、違う!戦略的停滞だ!別にマシントラブルなんかじゃな いんだからね!」